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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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ほほほーぅ、ほほほほーぅ、
 
 
昔聴いた、こえだ。
もう、どれぐらい昔になるかなんて憶えちゃいないけど。
一度、開けた眼をとろとろさせてまた、閉じる。
 
 
ほろほほろほろぅ、ほほほほーぅ、ほほほほーぅ、
 
 
ふん。
相も変わらず、ヒトの寝しなを邪魔するのが趣味、か。
 
 
      くす、り。
 
揶揄かうよに洩らされた、笑い。
羽搏く音が聴こえない代わりに、気配だけが色濃く漂う。
 
さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、
 
 
ぐるぐると螺旋を描い濃い翠の眼。
月のほの明かりに浮かぶ、真白い翼。
そのアヤカシはヒトの世で言う、梟そのもの(本人は不服らしい)
 
「久しいな、キノツキ」

笑われたのが気に喰わなかったから、ではないけど。
先手をうつ事にする。
 
「ご機嫌麗しゅう、三橋殿。おやおや。お目覚めですか?それとも、お眠りの邪魔をしてしまいましたか?」
 
さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、
 
夜半には、少しばかり早い刻限。
寝待月が雲間から、カオをだす。
 
さわさわさわさわ、さわさわさわ、さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、
 
「三橋殿、よろしいでしょうか?」
「なんだ」
 
一度ゆっくりと翼を寛げると、先刻と同じ様に。
音もなくその翼を仕舞いこんだ。
 
頭ひとつ分、高い枝から見下ろされるのは。
あまり、いい気はしないのだが。
 
にゅぅ、と不自然に延ばされた、躯。
 
「『木埜憑鬼』、で御座います。外ツ国の者の如き云い様、解せませんよ、私」
 
不満げに、ぐるぐると螺旋の眼を廻して威嚇する。
 
「いちいち五月蝿いとこも変わってないな、キノツキ」
「やれやれ。貴方様も、お変わりなく」
 
しゅるん、
 
躯を元に戻すと、これみよがしに溜め息を吐いた。
 
「で?遠路遥々、俺に何の用だ」
「三橋殿」
 
音も無く、距離が詰められた。
唯でさえ梟の狭い額に、心なしか深い皺が寄った気がしないでもない。
 
「先だっての夏越の大祓えに然り。宮中では今、乞巧奠の星奉りの最中だと言うのに。貴方様は参内なさらないのですか?」
「キッコウデンノホシマツリ、ねぇ。政、の間違いだろ」
「マツリゴト、ですか。まぁ、間違ってはいませんけどね」
 
然して面白いものでもありませんし、と吐き捨てた横顔が。
これまたくしゃり、と歪んだ。
 
・・・・・・あぁ、そうだ憶いだした。

この、口性ないアヤカシは。
あの宮と言う名の伏魔殿において、稀少とも言える部類のアヤカシだったっけ。
 
世話焼きで、お節介で、頑固で、口煩くて。
なにより、そう。
 
そう、あいつと同じ。
 
       おヒト好し、だったな。
 
 
「しかしながら。貴方様にとっても、今日は寿ぐ日であるとは思うのですけどね」
 
ぐるり、と先刻より翠の色味が増した眼が廻る。
 
「どうだろうな」
「別に貴方様の諱と誕生節を知ったとて、どこぞの輩のように浅はかな喧嘩を仕掛けるつもりは皆無ですので。御安心下さい」
「ふん、賢明な事だ」
「それはそれは。お褒め戴き恐縮至極、で御座います」

、しずり。
 
恭しく礼をするクセに。
どこか、不遜で尊大な態度なところも、変わらない。
 
「ところで、三橋殿。ヒトの子に誕生節をお教えなさったのですか?随分、貴方様らしくないですけども」
「は?」
 
  
  嫌な予感は得てして当たるものだ、と思う。
 
 
「みぃーつぅるぅぅぅぅぅぅー、みぃつーるぅぅぅぅぅ???」
 
あんまりにも聞き慣れ過ぎているこえ。
緊張感ないわ、危機感ないわ、間延びし過ぎてるわ、で。
身に覚えが有り余るほど、よく知ったやつに。
 
・・・・・・・・、間違いなさそうだった。
 
「あの馬鹿!!!!『遅い刻限にふらふら出歩くな』、と何度言ったらっ、」
「そろそろ子の刻でしょうに。この刻限に社にやって来るヒトの子、と言うのも。なかなか聞きませんねぇ」
 
諦める気配なんぞ、微塵もなく感じるのは多分、気のせいじゃない。
 
「ねぇーっ、いないのぉーーーーーぅ」
「いますよーーーーーーーーーーぅ、と」
「ナァッ!!?」
 
ほほほほほほ、とキノツキが笑う。
 
「貴方様でも、そんなカオ出来るのですねぇ。いつもいつも。『湿気た煎餅の様なツラをなさるクソ餓鬼』だと思っていたのですが。私、少々安心致しました」
 
ふわり、
 
真白い羽根が音も無く、舞い降りてくる。

「お邪魔のようですから。早々に退散させて戴きます。ヒトの子に宜しゅう、あ」

   
      美鶴殿。
      本日の誕生節、大慶の至りに存じ上げます、


ほほほほほほほ。

――――――――――――ちっ、


「小難しい物言いしか出来んのか」
 「あ、いたいたぁぁぁっ!!!ん?おぉぉぉーい、美鶴?」

えー、なにサァー、と間抜けヅラをする亘に、八つ当たりする為に。
キノツキ、の様にはいかないが。
出来るだけ、音を立てずに亘のもとに降り立つ。

「あ、ねぇねぇねぇ!!!い、いいいっ!!!いたぁぁぁぁっ、み、耳っ、」
「煩い。ヒトの子は寝る刻限だ。お前、俺の言ったこと、全然聞いてないだろ」
「だだだだ!!!だからって、耳っ!!ひ、引っ張んないでよぉぉぉぉっ」
「人様の忠告が聞けない耳なら、いらないだろう。どれ、手伝ってやる」

いだだだだだ、とじたばた藻掻く亘の様は愉快だったけど。

      まぁ、仕置きもこのくらいにするか。


ぱっ、

手の力を緩めて、耳を開放してやる。

「どうして、こんな刻限に来た?」
「ったぁぁぁぁぁぁっぁ!!!美鶴のオタンチン!!って、だってね、コレっ!」

さらさらさら、さらさらさら、さらさらさら、さらさらさら。

揺れる、揺れる、笹の葉たち。

「コレ!ほら、短冊も持ってきたし!!美鶴の分もあるよぉぉ!ちょーっと、ぎりぎりだけどさ!まださぁ七夕、間に合うよねぇ?」
「さぁな。お前、ソレ社に飾る為にわざわざ来たのか?」
「うん!!ってのは、さ。まぁ、オマケみたいなモンだけど。うーんとね、ちょっと美鶴に渡したいモノがあってさぁ、」

亘が斜めに掛けた、袋からがさがさと音を立てながら出したモノ。
風に、この地では嗅ぐことの出来なくなった匂いが雑じる。
ひどく、懐かしい匂いだった。

「えーと、これ!今日、うまく出来たから渡したかったんだぁ。はい!!」
「お前、俺の誕生節知ってるのか?」
「うん?何、タンジョウセツ、って?」
「いや、いい。何でもない。これ、竹の皮だな」

しっとりと手に馴染む、この感触。
まぁ、何が出てくるかなんて大方予想はつくけど。
そういえば昔、よく眼にしたっけ。

随分久しぶりに手にした気がするな、と思ったその時。

「あーーーーーーーーーっ!!!!や、やっぱ、だめぇぇぇ!!!!だめっ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はァ?

亘が、本日何度目かの間延びした叫び声を上げた。

「悪いが。一度貰ったモノは返さない、と決めててな」
「だだだだ、だめっ!!!か、返してっ!今すぐ!!!!!」
「断る」

ごそり、と竹の皮の包みを開くと。

「ねぇっ!!!『タンジョウセツ』ってさ!!多分、美鶴の誕生日ってことでしょ??だだだだ!だったら、だめ!!ぜぇーったいだめ!!!コレが誕生日プレゼントになっちゃうって、あれ?え、美鶴?どーしたの??」

       綺麗に模られた三角が、ちょこんと2つ。

そう。

      てりてりと、黄金色に輝く稲荷寿司がそこに在った。
      
全くの、予想外。
いや、だって、普通は。
竹の皮に包むって言うのであれば、誰だって握り飯を想像するだろう?
しかも、よりによって稲荷寿司!(しかも、俵型じゃなくて三角だと?)


        くっ、く、ははははははははっ、


「あのね、お前ナァ。狐が稲荷寿司好き、だと思わない方がいいぞ?」
「え!そ、そうなの?ずずずずぅっと、そう思ってたけど!」
「そうだな、鼠を油で揚げたモノが好きな奴は多いな」
「えーと、取り敢えず、ソレ無理!ムリムリムリ!無理だからね!!!」

まさか。
己の生まれ落ちたその日に。
ヒトの子が作った稲荷寿司(しかも狐耳型!)を喰うことになるとは。

  
      く、っ、はははっはははははははっ、


「だから。全てがそう、とは言ってない。それに、どちらかと言えば」
「なに?」
「いいや、なんでも。社にソレ、飾るんだろ」
「あ、うん!!わぁぁぁぁ!!社!!!社、掃除しなきゃぁぁぁぁぁぁ!!!」


・・・・・・・・言えるか。

どちらかと言えば。
亘が作った稲荷寿司の方が好い、なんて。

  
        あ、

亘が、思い出したようにくるりと振り返る。
本日、ぎりぎり。
とびきりの笑顔で、もってして。


       「美鶴、お誕生日おめでとう!!!!!!」


そうして。
胡蝶との熾烈な稲荷寿司争奪戦が始まる迄、あと少し。











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今日ダメなら本気で駄目人間だろう。

昨日の、一行日記より。
いやぁ、昨日で丁度「狐」が二ヶ月まるっと空いたのですね。

そんな・・・・・しみじみしてる場合じゃないじゃん、自分!!!!

と、ここ迄は夜明けの太陽をみながらがりごりしてたんですがね。
やっぱり力尽きました・・・・!!
ほんと、今回の項は長かった・・・・・長かったのですよ・・・・!!!
なのに、言い訳だとか、まだサァー!!!

ほんと、文才って降ってこないもんだろか(何回、同じ事言うんだろうなぁ)

・・・・・・さめざめ~、さめざめ~(泣いてみる)

あと、一回で桂男さんに花持たせてあげれるか本気で心配になってきた。
そうです、皆様。
ほんと、お忘れだとは思うんですがね(私も忘れてるけど)桂男さん、一応メインな、んだ・・・・??

まぁ、なんとかなるだろ(って、また自分の首を絞める)
ちょっと・・・・・間、あいちゃったのは、まぁ。
また、今日時間があれば、言い訳しにきますね~(って、誰も待ってないと思う)

なんか、さ。
黒さん→亘さぁぁぁんなのか、黒さん×亘さぁぁぁんなのか。
わかんなくなってきた・・・・・・・は、ははは!!!

今回、あの懐かし曲でちょっとぼかしてみたトコあるんですけどね。

う~ん。
やっぱり、双子(?)はライバルがいいと思うんだ(恋敵・・・・王道)

・・・・・・・・星屑ろぉんりぃねぇ~す

う、わぁぁぁ、やっぱりなんだか、一度出直してきます、です。

なんだか、うだうだ長いのですが・・・・・
お待ち?してくださった本気、愛してる!な皆様(結構、迷惑だろうよ)
よろしければ、お付き合いくださると、とても嬉しいです。


ふはははは!!!

く・クレームどんとこーい!!
消滅したモノを書き直した結果。

・・・・・・著しく予定が変更にならざるをえなくなった、と言うミラクル!

次回「涅槃寂静」で「桂男の項」終わろうと思ったらばー!!!
今回ー!!!終わんなかったー!!(終わらなくしたのは、自分のせいですけども)

・・・・・ので。

次回終わったてもまだ、小手先使って足りなくなった一回分の項を・・・・・足して、みます・・・・・
なんだ??ナニがいけなかったんだぁぁぁ!!!
そうして、オレ様なはずの黒さんがナニやら、ボク様と言う中途半端な存在にみ・えーる、み・えーる。

なんだか、やっぱり説明くさい項になってしまいました。
そうして、ぐーだぐーだと長いのですが・・・・

もし、よろしければ。
お付き合い、頂けたらとても。
とても嬉しいので御座います・・・・・よ・・・・・・


やっとこさ。
ひ、ひとつ・・・・・もそもそ。
細かい言い訳のような、お節介な補足のようなものドモは。
あとひとつの項をあげてからどかん、とあげようかと思います。
ちょちょーいと、この阿頼耶(あらや)の単位について。

10のマイナス22乗です。
この阿頼耶、という単語については結構奥深いモノがあるのでそれをどかん!とお節介しにきますね。
しっかし、ほんとこの項書くまでにどんだけって言うか、ナァ・・・・
しかも微妙にこの項だけじゃ纏まりきらなくて、次項に持ち越して仕切りなおしたので・・・・・

結果、余計に時間が掛かったな・・・・・(ぼそぼそ)

本当に、こんな嘘吐きにお付き合い下さる心優しい御方様がたに・・・・

心より、感謝と懺悔を込めて。

こ、後悔なさらない方・・・・・今、しばらくお付き合いくだされば、とても嬉しいです!!

追記:先程、文字の大きさ(バラバラだった・・・!)と一部、急いであげたので文の一部が変なとこに繋がってたんですが・・・・直しました・・・・
うぅぅ。いらっしゃらないとは思うけど、もしかして読んでしまった御方様がいらっしゃれば・・・・
お見苦しくてすみませんでした!!

ううう。急ぐと・・・・ほんと駄目、ですなぁ・・・・・!!

*すでに、過去日記ですので・・・・・!(2/22)

う、わぁ・・・・・

今週、死ぬ気で頑張るとかなんとかぬかした割りにコレだけですか・・・・・としょぼぼぼーんとしてますが。
うぅぅうぅ、すみません・・・・!!!
 
いや、だって、あの、ですね。
何と言うか、解らないんですよ、実際・・・・・!
ナニがって、アレです。
書き散らしている本人が言うのもなんなんですが。
 
ゴールを切る為の、アンカーテープが見えてきません・・・・!!
 
イヤァ・・・・
これ、参っちゃったな。調子こいて黒ワタと黒ミツ出したみたものの。本気、終わる気なんてしないナァ・・・・・
あーあ、実は5回で纏まんない気満載なんですよねーなんて今更過ぎてアレだ。
 
なんて、本気思っちゃったりしてる訳で・・・・
しっかも、くらーい話ですよ、なんてほざいた割りになんだか美鶴殿がいつも以上に女々しくて、ヘタレで芝居がかってるだけ(まさしく一人芝居)なんじゃないのかねーかねー
 
・・・・・・とか。
しかも、個人設定が多過ぎて時間が空き過ぎると、読んで下さる方様(物凄い素敵な御方さまがたっ・・・・!!)が「??わっかんないネー」て、あめりかーんなヒト(個人的な好みの問題です)になっちゃうかもしれないし、ナァ・・・・
まいった、まいった。
 
インドな方っぽく「わからナマステー」でもいいかってくだらなさ過ぎた、本気で。
脈絡なく、ヒドイ思考しかできてません(大泣)
 
でもちびっとずつでも、話を進めていければ・・・と思いますので。
お付き合い(無理には、しなくていいのです・・・うぅぅ)して頂けたら、とても嬉しいのです。
 
ぽんぽんと、置いた布石にもなんない伏線を回収できなかった際には、大笑いしてやってください・・・・!
 
今回、うわぁ・・・自己満足だよ、と言う漢字を使ってしまったので・・・・・
お節介にも補足を・・・・(解りづらくてすみません!!)
 
肱(かいな):腕、とも書きますが前述の字の方が解りやすいかなと思ったんですが、そんな事ありませんでした(滝泣)
字の如く、かいな、と読んでうで、を表します。
 
馬手(めて):右手の事です。左手は弓手(ゆんで)弓を持つから、だそうですよ。
 
眇める(すがめる):これは、お節介かなぁ・・・
片目を薄く細めるやらしい笑い方です。
 
これくらい、でしょうか?
でも、ほんと解り難い話にしちゃってすみません!!
妄想がほんと収拾つかないぐらい暴走しているのですよ・・・どうしよ、ほんと。

次はやっぱりぃな、亘さぁぁぁんにお任せしようと思います・・・・・!
もうちっと、解りやすく話がババァンと進んでくれると・・・・いいな(ぼんやり)

今回BGMはやっぱり、と言うかまさか!な鬼束ちひろ「私とワルツを」
個人的に、あの方の歌う曲の中で一番好きな曲です。
 
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  2種類頂きましたので。   お好きな方をお貼りください。 このブログを読んで下さる方様で、奇特にもリンクして下さるのであれば、ご自由にどうぞで御座います。

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