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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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今日ダメなら本気で駄目人間だろう。

昨日の、一行日記より。
いやぁ、昨日で丁度「狐」が二ヶ月まるっと空いたのですね。

そんな・・・・・しみじみしてる場合じゃないじゃん、自分!!!!

と、ここ迄は夜明けの太陽をみながらがりごりしてたんですがね。
やっぱり力尽きました・・・・!!
ほんと、今回の項は長かった・・・・・長かったのですよ・・・・!!!
なのに、言い訳だとか、まだサァー!!!

ほんと、文才って降ってこないもんだろか(何回、同じ事言うんだろうなぁ)

・・・・・・さめざめ~、さめざめ~(泣いてみる)

あと、一回で桂男さんに花持たせてあげれるか本気で心配になってきた。
そうです、皆様。
ほんと、お忘れだとは思うんですがね(私も忘れてるけど)桂男さん、一応メインな、んだ・・・・??

まぁ、なんとかなるだろ(って、また自分の首を絞める)
ちょっと・・・・・間、あいちゃったのは、まぁ。
また、今日時間があれば、言い訳しにきますね~(って、誰も待ってないと思う)

なんか、さ。
黒さん→亘さぁぁぁんなのか、黒さん×亘さぁぁぁんなのか。
わかんなくなってきた・・・・・・・は、ははは!!!

今回、あの懐かし曲でちょっとぼかしてみたトコあるんですけどね。

う~ん。
やっぱり、双子(?)はライバルがいいと思うんだ(恋敵・・・・王道)

・・・・・・・・星屑ろぉんりぃねぇ~す

う、わぁぁぁ、やっぱりなんだか、一度出直してきます、です。

なんだか、うだうだ長いのですが・・・・・
お待ち?してくださった本気、愛してる!な皆様(結構、迷惑だろうよ)
よろしければ、お付き合いくださると、とても嬉しいです。



ひどく、ながぁいながぁい道の、真ん中で。
ふと、僕は立ち止まる。
 
今、誰かいなかった?
 
 
        あ、れ?
 
そうして、今まで走ってきた風景を僕は、観る。
 
僕は今、どこにいるんだろう?
僕、まっすぐに進んできた、よね?(間違わないように)
 
僕は、いつから走るようになった?
どうして、みんなは走らないの?(置いてかれちゃうのに)
 
僕はヒトリ、怖くて、怖くて、叫びだしそうになる。
 
僕が両手に持っていたものは、不満。
零される言葉は怒りに満ちた、祈り(誰か、助けて)
 
      あぁ、間違っちゃったんだ。
 
僕はそうして。
やっぱり、困ってしまう。泣いて、しまいたくなる。
どうしたら、いいんだろう?
 
走る為に置いてきたもの、何だったけ?
あんなに迷ったはずなのに、もう忘れてしまった。
ナニカを、手放した時に確かに在った「想い」は何処に逝ったんだろう?
 
 
    誰かの手が、やわらかく僕の手を引く。
 
   
―――――あ、
 
あぁ、あぁ、あぁ。そうか。そうだよね?

 そうか、そうだった。やっと、見つけ、た。
 
 
     大切なヒト達が、淡く笑う。
 
 
 
狐草紙異聞ー桂男の項ー(後)涅槃寂静
 
 
「オレたちを産んだ創世の女神が。 今度はオレたちを。いや、オレたちだけじゃなくて、お前らニンゲンも、」
「僕ら、も?」



             「『なかったこと』に、したいんだよ」
 
 
ナカッタコト、と言われても。
僕はしばらく、言われた意味が理解できずにいた。
 
いらない、ってことだろうか?
お父さんと同じように?
 
あ、
 
自分のナカで飲み込んで、終わらせたはずなのに。
なんだか自分でもびっくりしてしまう。
僕が思ってる以上に、キモチって簡単じゃないらしい。
 
「亘?」
「あぁ、うん。ごめん、ちょっとびっくりしちゃって。うぅーんと、突然そんな事言われても何か、ねぇ」
 
慌てて、考えを切り替えてみるけど。
いくらなんでも、ハナシが大き過ぎやしないか?
イマイチ、ぴん!とこないのもあるけど。
 
「ふん。別に、オレはお前等ニンゲンがどうなろうが、他のやつらがどうなろうが、知ったことじゃない。けど、」
 
うっすらと、哂う。
そうやって哂うとこは、そっくりなのにね。
 
「オレたちを、永いこと虚仮にしてくれたんだ。それ相応の礼はしないとな?」
「あの、さ。出来れば、でいいけど。フツーにお礼を言って下さい」
「もちろん」

 あ、発見。
・・・・・・ミツルが美鶴と違うとこは、嘘つきなとこだ。
 
僕は思うんだけど、ミツルはトランプで言えばジョーカーじゃないだろうか。
大ピンチの時に廻ってきた一発逆転のカード。
 
だけど、
 
ぴたり、と決まった相手に向けられる、敵意。
どす黒い、としか言いようがない、悪意。
抑えようともしない憎悪と嫌悪。
 
・・・・・・やっぱり、出来れば遠慮したい厄介なカードだと思う。
 
解りやすくて、いいんだけどね。
美鶴もこれぐらい解りやすければ、いいのに。
でも解りやすい美鶴って、案外気持ち悪い、ナァ。
 
「で、さ。あやちゃんは、その花のナカ?」
「蓮、だ。さっき言ったろ」
 
答えになってなかったけど、否定はされなかった。
蓮のナカのお姫様。
チュウリップのナカに眠るのは、親指姫だっけ?(なんとなく、かぐや姫ってのはナシだ)
 
「あいつ、覚えてないんだ」
「ほえっ?とと。あいつ?あぁ、もう!!ややっこしいね。美鶴?何をさ??」
「自分のナカにあやの魂魄を獲り込んだこと」
「へっ?」
 
深く息を吐き出しながら、ミツルが眼を薄く閉じた。
そっと、蓮の茎に手を触れたまま。
 
僕は、じっと待つことにする。
自分のこころ、と向き合って「言葉」にするのは結構、時間が要ると思うから。
 
「オレ達はあやの魂魄を、護りたかったんだ。輪廻の環から外れる、それだけはどうしても避けたかった。どんな事をしても、何に縋っても、あやを護りたかったんだ」
 
瞳のナカの、冥い灯り。
 
「躊躇ってなんか、いられるものか。そんな、余裕なかった、んだ」
 
輪廻の環から、外れる?
獲り込む、と言うことはどういう事なんだろう?
そもそも、どうしてそんな事になったのか、はまだ。
僕が、むやみに踏み込んでいい事じゃない。
 
「あいつがお前にしようとしたことを、オレ達はしたんだよ」
「あいつ?」
「イツカ。女神の半身。オレ達は、あやの魂魄を、喰ったんだ」
「な、っ、」
 
 
―――――――アヤノコンパクをクッタンダ
 
 
「は、はぁぁぁ???な、なにしてんの!!あ、あやちゃんってキミ達の妹なんだよね??」
「ばぁぁか、落ち着け。あのな、『魂魄を喰う』って言ってもあやもオレたちも『アヤカシ』なんだ。ニンゲンの『喰う』と意味が違う」
 
僕は思いっきりカオを顰めて、不満と文句の皺を作る。
言葉が足りないとこはさすが、美鶴モドキ。
ナニが「意味が違う」だ。そんなこじつけで、納得出来るもんか。
 
「オレたちの一族は魂魄、『天珠』さえ無事であれば、そう簡単に滅することは、ない。ただ、穢れがひどくなると、な。色々厄介だ」
「てんしゅ、け、がれ?」
「まぁ、聞けよ。天珠ってのはオレ達のいのち、な。あの時、あやの魂魄は放っとけば、どんどん穢されていくだけだった。だから、オレ達は護る為に獲り込む事にしたんだ。隠した、言った方が正しいか」
 
ソレ、先に言えよとか、「あの時」ってどの時だよとか。
不満と文句と疑問を、更におでこの皺に託してみた。
思いっきり、綺麗にスルーされたけど。
 
「けど、そう仕向けたのはあの女だ。女神、か。ふん、素晴らしいオカアサマだよ。哂わせてくれる」
 
つよく、つよく。
蓮の茎に触れている手とは、反対の手のひらに力が籠められた。
 
「その時だ、美鶴がオレを捨てたのは。アヤカシ、のままではあやの穢れを浄化するのは無理だと、あの女に言われたから。美鶴のナカのオレの存在があやにとって邪魔なら、仕方ない。けど、」
 
 くくくっ、と零れるのはさっきより、温度の低い嗤い。

「オレだって、美鶴なのにな?半身のオレは『神』には『不要』なんだとさ。つまり、消えろってこと」

ミツルに、僕は少しだけ苛立つ。
ここって嗤うとこじゃ、ない。
 
「美鶴の記憶が、書き換えられた。あの女の都合のいいように。あいつにとっても、その方が良かったんだろうよ。ふん。オレはとことん、いらない存在って訳だ」
 
        ふよう?いらない。イラナイ、イラナイ、イラナイ、
 
                  どうして?
 
ぐるぐるぐる、ぐるぐると頼んでもないのその言葉が廻りだす。
父さんと見た、ゴッホの糸杉みたいに。
 
気持ち悪い、それ以上にムカムカする。
 
「はぁぁぁぁ??ナニ??なに格好つけて嗤ってるのさ!!嗤うとこじゃないし!ばっかじやないの!捨てられた?消えろ?全然、よくないじゃん!!仕方ない?ふぅーん、じゃぁほっとけよ!!なんで、今更ひょこひょこ出て来たんだよ!」
 
こんなの八つ当たりで。
だって、ミツルはあやちゃんを助けに来ただけだろうし。
僕が勝手に、ミツルに苛立ってるだけで。
違う、違う、違う!!

    あぁもう、全部あいつだ!美鶴が悪いんだ!!
 
ぐるぐる、ぐるぐる、糸杉がさらに邪魔して、気持ち悪い。
吐きそう、なのに。
 
        「ほぉーぅ?」

ミツルが、ぐしゃぐしゃと、僕の髪をなぜた。
今、僕の気分の悪さは最悪だ。
それ解ってて、してるんじゃなかろうか。
 
「お前さ。疲れない?他人事だろ?あぁ、コレがお人好しって、イキモノか。そうか、ふぅん、初めて見るな」
「ちょ、なんなの!!さわんな!!僕はれっきとした、ニンゲンだから!!イキモノって、まぁ間違いでもな、い、け、わぅっ?」
 
 ・・・・・・・・まぁ、しょうがない。

ちょっと黙っとけ、と言われたから、ね。

でも、アレだ。この状況、って、えぇと??
抱き、まくら、が一番ぴったりな状況だと思う。

     だけど、まぁ、ね。
 
僕は抱き枕じゃないんだけど、ってのは言わないであげた(ミツルのすることって、謎だ)
けどさ、僕のこの行き場のない手はどうしたら、いいんだろう?
 
「お前、そりゃぁ普通この状況だと手は背中だろ」
「ハァ??あの、僕、口にだしてないよね??」
「空気、だ。く・う・き。お前さ、こういう時ぐらい、空気読め」
「お断りします」
 
くっ、ふふふ、
 
洩らされる笑いに、今度は少しだけあたたかさを感じて。
何だか、くすぐったかった、

・・・・・・・のに、だ。
 
どん、
 
突き飛ばされて。
って、突き飛ばされて???はぁっ?
 
 「いい加減、離れろ。暑苦しい」
「ハァ、スミマセンネー」
 
もう、なんか色々諦めた。
アイアム・オレ流のヒトなんだから、仕方ないよね。
出来れば係わりたくないけど。
 
く、ふはっはははっ、
 
「あのな、オレだって。これでも、イロイロ格好悪かったんだ。今だって、そうなんだ。あやに会うのだって、ちょっと、な。でも、まぁいい。おい、だしな」
 
こんこん、とミツルが蓮の茎を小突いた。
 
「ねぇ、いくらなんでもそんな、『だしな』って簡単過ぎ、」
 
ぽぅうわぁぁんっ、
 
蓮のハナがゆっくりと、蕾をひらく。
 
ふわり、ふわり。
 
「美鶴はオレでもあるんだ。簡単で当たり前なんだよ」
 
ふわり、ふわり。
 
そっか。
隠した本人が宝箱を開けるんだから、簡単だよね。
淡いヒカリを纏った親指姫、じゃなくて。
お姫様が、いつか見た映画のワンシーンみたく、舞い降りてきた。
 
ミツルが腕を伸ばして、大事そうに胸に抱く。
ひどく、穏やかで優しい仕草でやわらかそうな前髪を梳くと小さく、お姫様の名前を呟いた。
泣いてるような、微笑ってるような、曖昧なカオで。
 
ふるりり、とお姫様の目蓋が薄く開きかける。
 
「おい、亘。手、だせ。早く!お前、落としたら、ただで済むと思うな」
「え、ちょ、わぁぁあ、わっ、わっ、わ、」
 
ぐぅうい、ぐうぅい、
 
ミツルは僕にお姫様を押し付けて、そっぽを向いた。
さっきまで、大事そうに抱えてたクセに、なんだこの変わり様。
 ちょっと、抗議してやろうと思ったその時、
 
「っ、あに、さま。あに、さま?」

お姫様が永い、眠りから眼を醒ました。

美鶴やミツルと同じように透きとおるように肌が白い。
瞳の色は、やわらかな榛色。
肩より少し下のとこでふたつにわけて結われた髪は、瞳の色に良く似た淡い栗色。

着物も帯も真っ白かと思ったら、それぞれ微妙に色味が違う白色が重ねられてた。
りん、と結われた髪に付けられた鈴が響く。

「あ。あなたが、亘さん、ね?はじめ、まして」
「はじめまして、あやちゃん。えーと、追いかけて来ちゃった。で、」
「あにさま?あにさま、やっと会えた」

ふにゃり、と笑う。
ミツルは、そっぽを向いたまま。
そっと、あやちゃんをおろしてやる。

「あにさ、」
「オレはお前の会いたい美鶴じゃないよ、あや」
「うぅん。あやの会いたい、あにさまだよ。あの時、あやを護ってくれた、」
「怖く、」
 
ミツルの声が、震えた。
 
「怖く、なかったか?天珠を、お前を、オレ達は喰ったんだ。もっと、他にも方法はあったはず、だ。怖かったろう?ご、めん、な」
 
嘘つき。
やっぱり、気にしてたんじゃないか。
 
りりぃん、鈴が啼く。
 
「あ、あや??」
「あにさま、抱っこ。さっきみたいに、抱っこ」
「あ、あぁ、う、ん」
 
あやちゃんが、手をひろげて。
ミツルが、その手をとって。
ふわり、と胸に抱く。
ふたり、同じカオで笑う。
 
「あにさま。うん。あや、怖かったよ。だけどね、あにさまに『ごめんなさい』って言わなきゃってずぅっと思ってたの。だって、あやのせいでずうっとヒトリにさせちゃったんだもの」
 
これでもかってぐらいに、ミツルの眼が大きく見開かれた。
戸惑いと、困惑。
のち、どんなカオをしようか迷ってる。
そうしてやっと嬉しそうに、眩しそうに、眼を細める。
 
「あ、あにさま、苦しいよぅ」
「くっ、はははっ、あぁ、なんだ、ごめん。ごめんな、あや。いや、ほんと。これって、ナァ。あや、」
「あのね、ちゃんと。あや還ったらもう一度、あにさまに言わなきゃ、だよね」
 
      ちゃんと、還ったら、もう一度美鶴に、
 
あぁ、なんだ。
そうか、そうなのかもしれないね。
 
今、僕が両手に持っているもの。
美鶴が、欲しかったモノ。
僕が置いてきたナニカ、美鶴が捨ててきたモノ。
 
後悔は、いつも傍に。     
1人で立てる力は、何時までも持てないまま。
誤魔化して、諦めて、見ないふりして、
 
置いてきた、憧れ。捨ててきた、言い訳。
 
違うんだ。やっぱり、やっぱり。
 
置いてけないんだ、捨てられ、ないんだ。
だから、僕は振り返る。
 
   キミ達を、見付けるために。
   想い、が還って来れるように。
 
キミ達が手をひくから。
僕は1人で立てなくても、走らなくてもいいことを、思い出したんだ。
 
「亘、頼まれてくれないか」
 
すぅ、と笑みを消したカオでミツルが僕を見る。
瞳のナカの強い、燈り。
 
「え、あ、うん。何?」
「ここに扉を、創れ。あいつに、美鶴に繋がる扉を」
「ほぇ、ぇぇぇ?はぁぁぁぁっ??ナニ言ってんのさ!そんなどこでもドアなんて作れる訳ないってば!」
「いいから、創れ。オレじゃぁ無理だ。解ってたんだが、忌々しい」 

ち、と悪意に満ちた舌打ちを放つ。

「けど、お前なら創れる。あの女、お前がここにいるとは思ってないハズだ」
 「あの、ね!だーかーら!僕がどこでもドアを作れるって言う根拠のない自信は、どこから来るのサァ!!」
「お前がニンゲンだからだ。いいか、このままだとオレ達も美鶴ごと、魔族の贄にされるぞ」
「に、え?」
「エサ、だ。エサ!お前、あいつの仕事が何か知ってるか?お前達や、アヤカシのセカイの境界を守る事だ。美鶴自身が結界の役目をしてんだ。はん、云わばヒト柱だよ」
 
だって、だって。
美鶴はきったぁない、お社の神様で。
いつも、お社の側の御神木の太い枝の上で、寝てて。
ナニ考えてんのか、解んなくて。
ナニも、言わなくて。
僕も、聞かなかったから、だから。
 
僕、美鶴の事なぁんにも知らない。
でも。どうして、もっと、ちゃんと、怖がらずに踏み込まなかったんだろう?
 
・・・・・・駄目、落ち込むのはいつだって出来る。
 
今、踏み込まなきゃ、いつ前に進むの?
 
「あの時。あやの、あやのせいで、あにさまは、」
「違う!!あや、それは違うよ。あの女は、セセカイをぶっ壊す材料を探してた。たまたま、オレ達がソレを持ってた。ただ、それだけだ!だから、いいか、絶対にあやのせいじゃない!!」
 
また、「あの時」、だ。
美鶴とミツル、あやちゃん、そして、女神様。
僕は、逃げずに踏み込めるだろうか?
うぅん、片足、突っ込んだのは僕なんだから。

 「結界が消滅したら、どのみち全員、エ、さ、」

・・・・・・・・踏み込まなきゃいけない、よね。

「させないから、そんな事。絶対。分かった、作るよ、扉。どうすればいい?」
 
僕が、僕に、出来るなら。
僕は今、美鶴に続く扉が、欲しいんだ。
 
「想像しろ、亘。お前のナカの扉を造りあげろ。ヒトの想いは強いものだ。ヒトの想いは『神』だって、造ることが出来る」
 
          ソウゾウ、そうぞう、想像、創造、
   
          「ヒトの想いは強いものだ、」
 
美鶴にもそう言えば、同じ事言われたっけ。
扉でも、道でも、何だっていい。
 
僕に、美鶴に続くナニカを下さい!!!
 
 
ぼ、こここここぉおおおおおおっ、
 
 
あれ?これ、穴?
薄藍と朱がまじった空間に浮かぶソレ。
ヒトが1人通れる位の、まぁるい、真っ黒な空間。
扉?道?とは、ちょっと違うと思うけ、ど。
 
僕はやっぱり人間だった、ってことだ(ネコ型ロボットじゃなくて良かった)
 
「って、お前、ねぇぇぇえぇ!!!!!!いくら何でも、コレはないだろぉぉぉおおお!!!!よりによって狐穴出しやがって!!やり直せ!早く、造り直せ!!」
「無理!しょうがないじゃん。道、できたんだから我慢しなよ!」
「この、穴を通ればもう一人のあにさまに、会えるんだね」
 
ふぅ、
 
ミツルがこれみよがしに大きく溜め息を吐き出した。
 
「いいや、あや。この馬鹿が創った『狐穴』は、何処に繋がるかは通るヤツ次第なんだ。ち、厄介なモン出しやがって」
「それでも。あ、にさまに。会える、道、出来たのね?」
 
あれ?なんだ?気のせいかな。
あやちゃんが、さっきより、うぅん、何だろ?
 
「おい」
「はいはい、なんぅふ、っふ」

        、ぱちくりと瞬きひとつ。
 
呼吸を止めて1秒、どころじゃない。
真剣な目をしてたとかって、解るもんか。
別の意味で、目の前に星がちらつき出した頃、
 
う、げぇっ、ご、げ、ほっ、
 
「空気、読めって言ったろ。しっかし、お前ほんと色気ないねぇ」
 
ちゅ、
 
今度は、音をたてて軽いキス。
 
・・・・・・・・・・・・・・・きす、キス、鱚?じゃ、ないだろ。
 
「わぁぁぁっぁぁああああ!!アンタ何、してくれちゃってんだぁぁぁぁあ!!!!ぼ、僕の、ふぁぁ、ふぁ、ふぁ、ぁぁ」
「奇遇だな、オレも初めてだ」
 
にぃっ、と笑う。
不覚を繰り返せば、自覚になるんだろうか。
ミツルがあんまりにも、綺麗に跳ぶから。
 
「アヤの声だけじゃ、還って来れなかったんだ。お前が美鶴を。オレ達を、呼んでくれた。感謝、してる」
 
狐穴に飛び込んでいった、背中に。

      ちぇ、文句、言いそびれた。
 
「あにさまは、亘さんの事が好きなのね」
「アレ、絶対面白がってるだけだよ、アヤちゃん」
 
くすくす笑いと一緒に、りぃんと鈴の音が啼く。
あのヤロウ、教育上あやちゃんに悪いと思わなかったんだろうか?
 
「亘さん、本当にありがとう。あやのせいで、あにさま達はバラバラになっちゃったのに。あにさま達を呼んでくれて。傍にいてくれて、ありがとう」
「うぅーん、美鶴とミツルってほんと同一人物かアヤシイけど。傍にいるのはさ、友達だもん。当たり前だよ」
 
    ソバニイル、トモダチ、アタリマエ、
 
呟かれた言葉が、小さく震えてる。
ほんと、キミ達は兄妹だよ、ねぇ。
優しいところも、臆病なところも、そっくりだよ。
 
「美鶴に、本当の事知られたくないんだね?」
 
あやちゃんを護りたくて。
でも自分がしてしまった事が怖くて、怖くて。
ミツルに、押し付けて。
創られた記憶に逃げた美鶴。
 
「あの時」は、そんなに怖かったんだね。
ヒトリじゃ抱えきれないぐらいに。
嘘で固めた、ニセモノの強さでも、キミは。
 
・・・・・・・欲しい、と願ったんだね。
 
「あやちゃんに、こんな思いをさせるなんて、ほんと。救いようのない馬鹿だね!」
 
―――――『ほん、とうに、あなたも。莫迦、ね』
 
くすり。
 
あぁ。イツカ、の声だ。
なんて、タイミングなんだろ。
ここにまで響くってことは美鶴、やっと解った?
 
そうだよ、美鶴。キミは救いようのない、馬鹿だよ。
 
「ばか、だって。イツカは誰に言ったんだと思う?」
 
哀しくて、可笑しくて、微笑ってしまう。
やっぱり、あやちゃんも微笑う。
 
「亘さん、耳貸して?わたし達ってね、耳はいい方なのよ?」
 
耳打ち、のち内緒話。
 
ふふふっ、
 
うん、正解。
さぁ、行こうか。
 
僕は、ナニが正しくて、ナニが間違いだとか。
まだ、決めれなくて。
 
置いて来たものだったり、捨ててきたモノだったり、失くしたナニカに悔やんで、迷って、立ち止まる。
 
でもそれで、いいよね?
だって急がなくても、走らなくてもいいんだ。
 
僕は1人じゃないから。
手を、ひいてくれるキミ達がいるから。
キミ達がしてくれたように、だから僕も。
 
     キミ達の手を、ひくんだ。
 
        「行こう」
 
そうして僕らはこのセカイにさよなら、する。
薄藍と朱が雑じった朝焼け色のこの、綺麗で淋しいセカイに。

ちゃぽぉぉぉん、

どこかでまた、蓮の花から涙にも似てる水雫が滴り落ちる音が、した。

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ひっそり、こっそりと生息中。もういい歳なのにかなりチキン。勢いだけでブログを立ち上げると言う暴挙にでました。
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