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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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しがつ、です。

いつになく花冷えがする気がしますが、皆様体調等崩されてませんか?
なんとか、桜が散る頃迄に狐の番外は間に合ったものの。

「オメー、ナニこっち先に、更新してるんだよ・・・・・!(怒)」

とか、ああああああ、あいがつく御方からねねねねね念が送られてきそうだ・・・・・!

いや、大丈夫(っつーか、被害妄想です。実際は温かく待って貰っております故に)だろう・・・・・!

ごごごご、ごぅめんよう、Iっちゃん(いい加減、伏せてませんが)
こーん、こーん週末にはなんとか・・・・・、かんとか・・・・・・!

と、私信な業務連絡でした。
それと、母上様。ほんと、こちらこそ眼から鼻汁がでろろろ~ん、でした。ありがとう御座いましたです!!

あ、また盛大に言い訳しに来ると思います。
今回、ほんと電波なSSで「ハァ?」と思われた方、せーいーかぁーい!です。
かなり、自分設定な妄想が暴走しました。

カップリング要素が皆無な上に、微妙に苦手な方は苦手なネタ(若干死にネタ?風味)が入っておりますので。
もし、それが駄目だとか。電波な妄想が苦手な方はお読みにならない方がいいと思います。

もし、おぅけ~いぃ!!どんとこーい!な奇特な御方様。

宜しければ、お付き合い下さると嬉しいです。

あぁ、謡だ。
何処からか、謡が聴こえる。
 
石王尉の能面をつけ、翁狩衣を身に纏ったソレ。
しなやかに、あえかに、衣擦れの音が渡っていく。
 
  墨絵扇が舞い、朗々とソレは詠う。
 
 
花に清香(せいきょう) 月に影
 
春の夜の花の影より 明け初(そ)めて
 
    鐘をも待たぬ
 
別れこそあれ 別れこそあれ
 
 
     別れこそ、あれ
 
 
桜闇に融けていた白い月が、ようよう姿を見せ始めた頃。
桜が宵闇に、綺羅らかに舞い散る。

舞い散る、いや。違う。
 
『散る、って言うよりも。降る、って言う方が好きだよ』
 
そう言ったのは、いつかの誰か。
 
『この花の咲く頃に、逢いに行くよ。少し遅れるかも、だけど。必ず逢いに行く。だから。憶えておいて、ね』

 
 
狐草紙異聞ー別項ーさくら夢譚
 
 
季節が幾つか巡って、この花の咲く頃になると。
いつも、憶い出だす。
 
目蓋の裏に浮かぶのは、艶やかに鮮やかに咲き誇る桜ではなくて。
 
薄墨を軽く刷いたような、淡くて儚い桜舞い。
 
『僕は、さ。美鶴みたいに頭が良い訳でも、その、あの。えぇっと、ね。永く生きてる訳でもないから、上手く言えないんだけど』
 
桜が舞う頃。
白椿が花開く頃。
銀木犀が馨る頃。
白木蓮が笑う頃。
 
幾つもの巡る季節。
いつも一緒に笑いながら傍らにいたのは、誰だったか。
 
『えーと、そう!トコシエ、ってね。永遠って事なんだって。あと、セツナ?そう、刹那って一瞬って、意味なんだね?』
 
文字通りの捉え方に、少し笑う。
案外、その方が自分もしっくりする事に、驚く。
 
『うん、と。永遠、ってきっと凄く永いって事だよね。で、刹那は凄く短いって事でしょ。美鶴、前に言ってたよね?』
 
惜しむべし 惜しむべし  えがたきは時 会いがたきは友なるべし
   
        春宵一刻、値千金
 
 
『永遠と刹那は、全くの別物だって。ひ、と、刻?で終わるモノがと、とき、わ?』

常盤、と繋げて言い直してやる。
 
『ときわ。常盤ね!そう、一刻で終わるモノが、永遠と混じる事はない、ってさ。常盤たる存在は、刹那の中に存在してもいないし、永遠の中にも刹那は存在しない、ってさ』
 
我ながら、酔狂な事を言ったものだ。どうしてそんな事を言ったんだったか。
 
『あのね!僕と美鶴はずぅーっと、ずーーーーーーーっと友達なんだからね!』
 
訳が解らず、顔を顰めてみれば。
 
『だって、前に。僕がずっと友達だ、って言ったのに。笑うんだもん。置いて行くクセに、って言ってさ』
 
少し、違う。
老いて、逝くクセにが正しい。

あぁ、そうだ。そうだった。
ずっと、なんて不確かなモノを信じてる奴がいるのかと、思い知らせてやろうかと、思ったんだっけ。

 己が気安く言う言葉を守るのがどれだけ、難しい事かを。 

『そりゃぁさ!美鶴より少し早く、僕は大人になるかもしんないけどさ!』
 
少しばかり、ヒトよりも永く生きるだけで。アヤカシの生命も永遠ではないのに。
ヒトとアヤカシは違うのだと、ただそれだけなのに。

ただ、それだけの事が、ひどく。ひどく、もどかしく思った。
 
 待て暫し 待て暫し

夜はまだ深きぞ  白むは花の影なりけり
 
 
『ちょっと!もーーー!ちゃんと聞いてる?あのね、嘘じゃないよ?僕と美鶴はずっと、ずぅーーーーーっと友達なんだよ』
 
つぃ、と。
なんとはなしに顔を背けた。
 
桜は散るのが早いな、と話を変えて逃げる。
 
『散る、って言うよりは。降る、って言う方が好きだよ』
 
俺の頬を、やわらかな両の手のひらが包む。
逃げたつもりが、「つもりだけ」に終った。
そう言えば、いつもそうだったな。
 
『いい?ちゃんと憶えておいてね』
 
約束なんだから、ところころ笑う。
 
『この花の咲く頃に、逢いに行くよ。だから。少し遅れるかも、だけど。必ず逢いに行く。だから。憶えておいて、ね』
 
 
               僕の、ことを。
 
 
『僕が例えば死んじゃっても。僕の子供が、子供のコドモが絶対に、美鶴に逢いに行くよ。そうやって、ずぅーーーーーーっと、僕の子供達だったり、もしかしたら、僕かもしれないボクが。絶対に美鶴に逢いに、行くよ』
 
だから、ね?と今度はやわらかく微笑む。
 
『永遠と刹那は一緒じゃないかもしれないけど。交じる事は出来るよね?僕のボクが。そのまた僕のボクが、ずぅーーーーーっと、美鶴に逢いにいくよ。ね?これなら、ずっと友達でしょ。ずぅっと、一緒なら淋しくないよね?』
 
         
         深く、深く、眠る前に
 

その声を その想いを 忘れないように
  幾つもの時を 幾つもの季節を また一緒に
 
 
        それはいつか見た、春の夢
 
 
よそはまだ小倉の山陰に残る夜桜の   夢は覚めにけり 夢は覚めにけり
 
 
「みーぃつぅーーーーーーるっ!美鶴っ!ちょっと、折角夜桜見に来たのにっ!ちゃんと起きてる?ナニ?呆けが始まっちゃった?僕やだからねー、美鶴の介護なんてさ!」
 
これは、誰だ?これは、あぁそうか。
これは。こいつは、―――
 
「亘。歳の所為か耳が不自由でな。良く聞こえなかった。もう一度言ってみろ」
 
「ふぃひまひぇんでひら」
 
亘の口を鴨の口のように引っ掴んで、黙らせる。
あーいたたたっ、と大袈裟に俺の手を払う。
 
気に喰わない。
そんなに力は入れてない。
 
「ふん。こんなに桜が降ってくるんだ。惚けもするだろう。忙しないことだ。何もそう、急ぐ事はないのにな」
 
「降る?あぁ、散る事かぁ。うっわ、美鶴くさっ!!くっさぁー!!!!」
 
五月蝿い。非常に、煩しい。
 
「臭い?可笑しいな、俺は何も匂わん。亘、お前の役に立たん鼻なぞ、いらんだろう。手を貸してやる」
 
めり、っと爪を伸ばして薄く哂う。
 
「ぼぼぼぼぼ!暴力は良くないと思うんだよね!いっつも言ってるけどさ!!!!」
 
「聞こえんな。歳の所為なんだろう?」
 
「僕に聞くなーーーーーーーーっ!!!!」
 
逃げ出そうとした亘が、ふいにこちらを向く。
 
「だって。なるべく早く次の花達の準備をしなきゃいけないでしょう?散ってしまっても、ちゃんと次のコ達はそこに居るんだし。次の、次の、次の、花達の為に。なるべく急いで大きくなって。支えてあげたいんじゃないのかなぁ」
 
       ころころと笑うのは、いつかの誰かで。
 
 
       
    
嵐も雪も散り敷くや
花を踏んでは  同じく惜しむ少年の
 
 
「この花達が散っちゃっても。また、次のコ達が還って来るんだもん。ずぅーっと、ずぅーっとね。また同じ季節に還って来るんだよ。ほら!そんな淋しそうな顔しない!ずっと一緒に居る事には、変わりないでしょう?」

 
 
           
                  春の夜は明けにけりや
 
 
幾つもの時が、幾つもの季節が。カタチを変えて還って来る。

いつかに繋いだ手と手を、いつまでも離せないまま。
 
 
石王尉の能面がかたん、と乾いた音を立てて落ちる。
 
         
                 ソレが、桜闇に微笑う。
 
     
                 「それもひとつの、永遠のカタチ」
 
     

                 深く、深く、眠る前に
 

その声を その想いを 忘れないように  
幾つもの時を 幾つもの季節を また一緒に
 
 
                 それはいつか見た、春の夢
 
 
     
                翁さびて跡もなし  翁さびて跡もなし






respect for JUDY AND MARY  KYOTO is over!

 
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