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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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・・・・・・やっちゃった!

ふはははは!!
どうにもこうにも、狐が何やら気に喰わないナァ・・・・と思いつつ。
ぼやややーんと、これまた再び自分の中で静かに熱い谷山・・・・(いい加減、同志??を見つけたからって・・・・)さんのアルバム「しまうま」を聴きながら、ふと思い当たる。

ふぅむ。
あぁ、そうか!
昔、某素敵サイト様に押し付けたSSのひとつに。
自分的イメージは、マイラバの「日傘」だったSSがあるんですが。
あぁ、これだな、うん、と今更ながらに納得。

   で、これです。

・・・・・・・鳥籠姫 谷山浩子(・・・・・またか!)

いや、あくまで。あくまで、イメージなので・・・・!
しっかし、この曲がイメージです、なぁんてぬかしたら自己嫌悪満載な気分になってきた(なら、言うな)

数年前はさ、どこにもUPされてなかったのになぁ・・・と思いつつ。
CDは持ってるし、いつでも聴けるけど・・・・・
やっぱり自分が(大)好きな曲がUPされてると嬉しいもんですね。

突発的に、がりりんとしてしまったSSモドキなのですが。
ほんと、ワタクシ。

・・・・・・・オンバ様好きなんだ、なと。

狐が希望的観測に本気終わりそうな予感満載なのでこちらに逃げた、ってのもありますが。
「まぁ、仕方ないね~」と、お付き合いして下さる素敵な御方様。
ちなみに、ひとつだけ。

文中のセリフに「少しの言い間違いって、『誤り』、であって『嘘』じゃぁ、ないんだって」と、言うのを使いましたが。解るヒトには、解るセリフです。

これ、伊坂幸太郎の「死神の精度」に出てきたセリフです(少し、変えてありますが)
このセリフ自体もジャン・リュック・ゴダールの「女と男のいる舗道」と言う映画のナカの引用ですけども。
・・・・この小説も、映画もワタクシは大好きです。

それだけ、お断りを入れさせてください・・・・!!
↑のセリフ、だ、大好きなんだ・・・・!!

・・・・・・よろしければ(ドーゾ、なんて言えない、さ!)

あたらしい昨日、「う」の項。

「うちがわに寄り添う、いまはそれだけで 」










あたらしい昨日
 
 「うちがわに寄り添う、いまはそれだけで 」



さやさやさや、

眼の前に広がる、一面の赤いアネモネが揺れる。
空はたかくたかく、そうして碧い。

その碧のナカ、鳥の羽搏きが舞い降りる。
ふぅ、と溜め息ひとつ。
あたし、そろそろお茶にしようと思ったのに、な。

「まったく、ほんとここは退屈なんてしないのね」

――――ねぇ、ミツル?

くるっくー、くるっくーくるっくー、くるっくー、くるっくー、

このセカイにやって来た、お客様が詠う。
甘い匂いをほのかに纏う、純白の花をつける木の細い枝先で。

くるっくー、くるっくー、くるるる、るぅ?

「コンニチハ。あたし、イツカ。ねぇ、あなた。そんなとこにいないで、少し。こっちに来ない?」

そんなとこで、ヒトリ泣いていたって仕方ないでしょう?

きれいな、青い羽根。
きれいな青色の身体をしてるのに、お腹まわりが白い。
大きな黒い目がきょとん、とするのが可笑しい。

くるるぅ、くるる、くる、

「そうだ、あなた。あたしのお茶に付き合わない?」

どうだろ、こっちくるかな?と、思いながらおいで、おいでしてみた。

くるるる、ふぁぁさり。

くすり。

「ようこそ。ここは、綺麗なとこでしょう?あなた、迷子なのね」

あたしは出来るだけ丁寧に。
肩にとまった小鳥の胸元を撫でる。
やさしく、出来てるかなんて解んないけど。
なるべく丁寧に。傷、つけないように。

「大丈夫。あなたは、ちゃんと、」

くるぅ?と小首傾げる様が、やっぱり可笑しかったから。
ちょっと、笑っちゃった。

*

この、セカイはね。
綺麗で、やさしいの。
でもね、少しだけ。

本当に少しだけど、その綺麗さに、やさしさに。
・・・・・・泣きたくなることが、あるの。


このセカイを埋め尽くす、はな、ハナ、花、華、たち。
四季折々の花たちが出鱈目に咲き誇る。

艶やかに咲き誇る、ユリに似たピンクの花、
ほんのりと甘く香る純白の花をつけた木(この木は、あたしのお気に入りだ)
紫色の花が球状に集まって、いくつもの塊をなす花、
鮮やかなピンクに縁取られた釣鐘型の花、

  そうして、大好きな赤いアネモネの花たち。


こぽぽぽぽ、

ティーポットから、少し濃い目にだした紅茶をカップに注ぐ。もちろん、2人分だ。
さて、どうしようかと思ったけど。

まぁ、いいや。
温めてあったミルクを(ほんとは、聞くもんだろうけど)気持ち多めにして注ぐ。
これも、2人分。

ぱたたた、ぱたたた、

青い小鳥が用意した椅子の背凭れにちょこん、と降り立つ。

「はい、どぉぞ。美味しく、淹れたつもり」

くるぅ、

今度は、小首を傾げるんじゃなくて。
困ったように、啼いた。
気にしなくていいのに、と思う。
あたしは、ただ。「お茶会ごっこ」がしたいだけなんだもの。

「あのね。あたしあんまり優しくないから。もし、不愉快な気分になったり、あなたを傷つけてしまったら、ごめんね」

一応、断りを入れておく。
あたしだってそれぐらいの気は遣える、つもりだ。

「ここは、綺麗でやさしいけど。あなたの、居場所ではないの。あなたは、還らなきゃ、いけない」

逃げては、だめ。
そう言おうとして、やめた。
あたしが言うセリフにしては、何だかちょっと格好良過ぎる。

「ナニがあったか解らないけど。あなたは、ぎりぎりのとこで、踏みとどまったのね。本当なら、こころが粉々になるとこだったのに」

ねぇ、ヒトは不思議ね?
脆くて、弱くて、すぐに。
こころに、傷がついてしまう。

  そんな、脆弱な存在のハズなのに。でも。
  それ以上に、しなやかで、眩しい存在。

「ひびが、入ってしまっても。粉々に砕けたわけじゃない。以前と同じように、とはいかないけど。あなたは」


          強く、在ろうと足掻いた。だから、

「あなたはここに、自分の力で辿り着いた。それってね、凄いことなのよ」
「ここは、どこ?」

ふわり、と青い小鳥は、女のヒトに姿を変える。
大きな黒い瞳が、困ったようにきょろり、と動く。

「これは、ね。ゆめ。あなたの夢じゃなくって、うぅんと。少しややこしいんだけど。でも、あなたなら、解るよ」

逃げてみても、思い知るだけなんだってこと。
あなたは、あなた以外のものには、なれないのだから。
あたしは、このセカイにやってくるヒトたちに、教えてあげることが多くなった。

「ねぇ、セカイで一番疲れる存在って『自分』よね?」
「さぁ?」
 
あたしは、ヒトじゃないから。
意地悪なんかじゃないよ、ただ。ただ、解らないだけ。
だけど、あたしにも解ること、ひとつ。
 
「あなたは、あなたに還らなきゃいけない
「なぜ?」
「あなたの半身は、ずぅっとあなたを待っているから」
 
例えば、あなたが嫌悪にも似た決意を以って、切り捨てたとしても。
切実に、あなたを。
 
・・・・・・・待っている、と思うの。
 
そんな不器用な存在を、ひとり。
あたしは知ってるから、生意気にも言い切ってしまった。
 
「それに、言ったでしょう?あなたは、『迷子』なんだって」
 
        まいご、
 
戸惑いながら小さく零された言葉。
否定でも、疑問でも、なく。それは、解答。
時々ヒトは自分以外のヒトに答えを言って貰いたい、のね?

「まだ、間に合う、かな」
「大丈夫、還れるよ。だって、あなたはここに辿り着くことが出来たんだもの」
 
なかには、どうしようもなく、救いようもなく、ひたすらに。
真っ暗な闇のナカにただ、堕ちて、堕ちて、堕ちていくヒトもいる。
あたしには、どうしようも出来ないけど(だって、仕方ないじゃない?)
 
あなたは自分のこころを、受け入れることも切り捨てることも出来なくて。でも、ちゃんと。
 
ちゃんと向き合おうと、ひたむきに。
ひたむきに、ここまでやって来てくれた。
 
「私、かえり、たい」
 
      それが、あなたの願いなら。
 
「このセカイの端に螺旋階段があるの。それを、下に下に、降りていきなよ。あなたなら、大丈夫。ちゃんと帰り道、見つけれるよ」
 
          あなたが、望むなら。
 
「じゃぁね。もう、迷子になっちゃ、だめだよ」
  
          あなたは、大丈夫だから。
 
「ねぇ、ひとつだけ聞いてもいいかな?」
「なぁに?」
「ずぅっと、アナタはここにヒトリぼっちなの?」
 
くすり。
 
     「うぅん、違うよ。ふたりぼっち、なの」
 
 
荊に縁取られた、四阿のナカ。
こんこんと眠り続ける荊姫(って言ったら、怒るだろうなぁ)
荊姫の、ミツルの寝台に。
 
あたしはいつの間にか、日課になってしまった花撒きを始める。
 
ぱらり、ぱらり。ぱらり、ぱらり。
 
少しでも、いい夢が視れますように。
ねぇ、でもちょっと花の匂いキツイ?
 
ぱらり、ぱらり。ぱらり、ぱらり。
 
こんなもん、かな?
すとん、ミツルの枕元に静かに腰掛ける。
ミツルはやっぱり、オハナシのナカの綺麗で、冷たい、お姫様だ。
 
「ミツルのばぁぁぁぁか、」

(イツカ、「約束」して欲しいことが、あるんだ)
(なぁに?)
(「おやすみ」の後。イツカはこのセカイから、出て行くって)
 
ミツルの綺麗なカオに、そっと擦り寄る。
勝手で、考えがどこか足りなくて、甘い。莫迦な、お姫様。
 
(なにそれ!!ミツルの、ばか!!あたし、ミツルの邪魔なんかしないよ!!)
(違う、邪魔、なんて思ってないよ)
(違わなく、ない!!)
(だって、イツカ。オレが眠りに就いたら。ここにいたら、イツカはひとりぼっちになるだろう?イツカは、何処にだって行けるのに)
 
「確かにさ。あたしは、何処にだって行けるよ。このセカイに、いる必要なんか、ない」
 
(それに、イツカをこのセカイに閉じ込めているみたいで。嫌、なんだ)
 
ミツルのカオを見たくなくて、黙って俯いた。
あたしは、拒絶されてるんじゃない。それは、解る。

先回りして、ミツルはあたしの言い分を攫っていく。
やさしく、丁寧に。
 
(ひとりぼっちになるの、嫌だろう?)
(う、ん)
 
だけど。ミツルだって、そうじゃないの?
目覚めた時に、ヒトリだって、

・・・・・・・・・・淋しい、じゃない。 
 
やわらかく、やわらかく。
ミツルのつややかで少し、くせのある髪を梳く。

「ねぇ、ミツル。あの時『うん』って言ったのはさ、間違っちゃったの


そう。あたしは、言い間違えたの。

・・・・・・なぁんて、言ったらミツル怒るかな?
 
「『うぅん』、って言うのと、『うん』って言うのと、似てるでしょ?」
 
少し前に、ヒトが言っていたんだよ。
 
「えぇと、ね。少しの言い間違いって、『誤り』、であって『嘘』じゃぁ、ないんだって」
 
それってさ。こじつけ、ってやつだよねぇ。
だとしたら、「約束」守んなかったことは、謝らせてね?

でも、あたしにも怒らせてね?だって、
 
「あたしが、本当に嫌だったのは、ね。ミツルが勝手に決めつけたからだよ」
 
あたし、閉じ込められてるわけじゃない。
ミツルが言うように、自由だもの。
 
それにあたし、ひとりぼっちじゃないよ。
ミツルの傍にいる限りは、「ふたりぼっち」だよ。
 
      それに、ね。
 
眼の前に広がる、一面の赤いアネモネ。
空はたかくたかく、そうして碧い。
 
         ばさ、り。
 
ほら。
鳥の羽搏きが、また、ひとつ。
 
「あたしはちっとも、淋しくなんかない。退屈も、しない。だって、なかなかヒトリになれないんだもの!」
 
ここは、綺麗で、やさしい、
 
       
               開かれた、鳥籠

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