忍者ブログ
このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
[47]  [46]  [45]  [44]  [43]  [42]  [41]  [40]  [39]  [38]  [37
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ヒトの想いというモノは厄介、ですね。

好意、と言う想いほど重くて、それが強ければ強いほど。
もしかしたら相手にとっては、恐怖になりうる可能性も、ある。

「堪え偲ぶ」ことがいいとは思いませんが、過ぎた「好意」と言う名の想いは
やはり、時に暴力になりかねないと思います。
心に澱のように溜まっていく想いの吐き出し方を間違えたくはないんですが、ねぇ。

それも人間ですもんね。ヒト、それぞれです。
何が正解で何が間違いなんて、まだまだ若輩者の私にはわかりゃぁしません。
ただ、ヒトを捻じ曲げて壊すような想いだけは、持たないようにしようと思います。

話は変わって昨日、今日は京都の「太秦ほにゃらら村」で「世界妖怪会議」が開催されていたんですよ!!
宵には百鬼夜行が行われたとか・・・・!!リアル百鬼夜行!

い・・・・行きたかった・・・・・!!

追記:ふ、ふふふ。27日現在AM5:00少し回りました・・・・ね。
    日付はいじってあるんですが・・・・!
    言い訳しに、また今日書きにきます・・・・よ!!



狐草紙異聞ー文車妖妃の項(後)-

        

             「お前、俺が視えるのか?」


「あ、あの」
言われた意味が解らない、けど。
何か、何かしゃべらなくちゃと思って口を開くけども。
呼吸をするだけで、精一杯な自分に気付く。
 
「ぼ、僕、え、えっと。君、昼間ここに、」

もう、何を言いたいのか解らなく、なる。
聞きたいことはいっぱいあるのに。
すぅ、と眼が僕の後ろに向けられる。

「やれやれ」

大袈裟、とも取れるぐらいにうんざりと眉間に皺を寄せる。
どうしたのかな、と振り返ろうとした時に。

「お前、よっぽど気に入られたみたいだな」
「え?」

振り返らなきゃ、よかった。
あの、お姉さんが。
うっすらと、微笑んで立っていた。
奇麗、に嗤い顔を造っているんだけど、どこかいびつで失敗、していた。
思わず、手に持っていた風車を落とす。

からり、からりと廻りながら風車は、お姉さんの足元に辿り着く。
ぱきり、と柄の部分を折られた、風車。

そうして。
ゆらり、ゆぅらり。
静かに、静かに、お姉さんは近づいてくる。

「みぃつけ、た。携帯、あなたが持っていたの?」
捜した、のよ?と嗤い顔が、近づいてくる。
冥い眼は僕に向けられたいたけども、僕を写してなんかいない。

「せっかくの神楽舞いがお前達のせいで台無しだ」
すっと、少年が僕の前に立つ。

「おい、お前のそれ、返してやれ」
「え?」
「そ、れ、だ。早くだせ」

携帯、のことを言われてるんだとようやく気付く。
慌ててズボンのポケットを探るんだけど、あ・・・れ?
「え?え?な、ない、携帯がない!!」

ち、と舌打ちが聞こえた。
「お前、ばかか」

      あはははははははは、

さも、愉しそうにお姉さんの嗤い声が響く。

「あのね、これのこと?」にいっこり、と嗤う。
あの、シルバーの携帯がお姉さんの手にしっくり、と納まっていた。
ひらひら、と携帯を振りながら、嬉しそうに嗤う。
「随分、捜したの。落とした時にね、もうだめかと思ったの。あのひとに、メールが送れない、どうしようって」


        でも、もういいの

「「あなたが、いるから。もう、いいの」」
お姉さんの声が、ぶれて聞こえる。
高く、低く、それのどれもが合わさった複数の音声のように。

「「メール、何度も送ろうとしたのよ?でも。できなくて。いつか、あなたは気付いてくれるって。
ずうっと、待ってたの、ずうっとあなただけを」」

言っていることが、めちゃくちゃだ。
うっとり、と僕を見る眼はやっぱり、違う誰かを、写している。

      
     僕は、怖くて。でも。とても哀しくて。

「「あなたは、とても優しいもの。私のこと、気付いてくれたものね?」」
うっとりと、夢見心地のように、詠うように言葉を紡ぎだす。


    「お前が、そう仕向けたんだろう。くだらない」

少年が刃を、突き立てるように。
迷いなく、放たれた言葉。

「くだらない、本当にくだらない。相手に自分の想いを伝えることもできないくせに、『お前達』は気付かれること、をただ待っている。自分達の都合のいい様に、自分達を裏切らないやつを。」

少年の顔は見えないけれど、ひどく愉快そうにくすくす、と笑いだす。

        くすくすくす、くす

なぜか、ひどく落ち着かない気持ちになる。
どうして、なんだろう?
この、こはナニモノなんだろう?

  
   「誰でも、いいから、ってそんな程度の想い。可笑しくて、可笑しくて」

―――――――――――――――くだらない

くすくす、と笑う声がふいにやんでこの、この奥に滲む感情は。
憤り、なのだと解る。
表情は見えなかったけども、最後に放たれた言葉は確かに憤り、が滲んでいた。

「「な」」
「代替がきく想いなら、いらないだろう」

ぽぉう、ぽおぅ、ぽぉう。
ぽおう、ぽぉう、ぽおぅ。

青白い焔が最初は少しづつ少年の手の中で踊っていたけども。
ふぅっと少年がお姉さんに手の中の焔を吹きかけた。

        
逃げようとしたお姉さんを細く延びた焔が絡め取ったその、瞬間。


ごおぅ、ごおぅ、ごおう、とお姉さんを焔は包み込んだ。


     「「いやぁぁぁぁ、消えていかないでぇぇぇぇ」」


哀しい、哀しい叫び声だった。
焔は、お姉さんを焼きはしない、けども。
お姉さんにとっては。
大事な、大事なモノを焼き尽くそうとしていた。
お姉さんの、誰かに向けた怖くて、哀しい想い。

ねぇ、誰だって。
たぶん、自分ではどうしたらいいか解らない想い、はあると思うんだ。

「お、お姉さん!!ねぇ、あれやめてあげて!!」
「ふん、お前もしかして同情してるのか?だとしたらお門違いもいいところだぞ」
「同情ってなに!!?」
「は?」

僕は、お姉さんに向かって駆け出した。
たぶん、何もできないんだろうけど。
どうしても、どうしても伝えなきゃ、いけなかったから。

「お姉さん!お姉さん!」
はしっとお姉さんの手を取る。
焔、の中はまるで氷の中のようだった。
お姉さんの想いをまるで凍結するかのように冷たくて、冷たくて。

「だめだよ、お姉さん。間違っちゃだめ。ちゃんと、伝えなきゃ、言わなきゃその人にはお姉さんの気持ち
伝わらない、と思います」

きっと、誰でもいい訳じゃないと思うんだ。
その人じゃなきゃ、だめだ。
だから、お姉さん哀しい顔を、声をしていたんでしょう?
僕は、どうしたってお姉さんの好きな人じゃない、んだもの。

「お姉さんはちょっとだけ、勇気がなかっただけ」
「「あいつの言うように同情してるの?」」
「お姉さんの気持ちは、お姉さんにしか解らないと思います」

その人、の気持ちと同じように感じる自分のこころ。
でも、まったく同じこころなんて、ない。
人が哀しんでる時に力になりたい、助けたいと思うことは「同情」なの?
違う、と思う。

お姉さんの眼が見開かれた後で、困ったように伏せられる。

「「自分でもどうしていいかわからなくて。伝えたいのに、あの人の返事が怖くて。でも、あの人が、好きで。
苦しくて、伝わることのないメールを何度も打っては、携帯に保存したの」」

          伝えたくて、でも伝わることを怖く思って
          もし、自分のこの想いが報われなかったら?
          想っているだけなら、まだ夢をみられる


「「でも、消えていくの、ね。この焔の中で。私の想い達が、狂った想いが、消えていっちゃうの、ね」」
暗い影を顔にすこぅし貼り付けていたお姉さん。
でも、自分のその影を抱えて怖かったのはお姉さんなんだ、ね。
        
「消えませんよ。だって、お姉さんの想いは強いじゃないですか。こうやって伝えるのはナシ、ですけどね」

            「あなたって、本当に優しい、いいこね」

お姉さんの声はもう、だぶってなんかなくて。
しっかりと、僕を見る。
そうして、朝見たあのふんわりとした微笑を浮かべる。

             
            「ちゃんと、あの人に伝えないとね」

そう言うと、かくりと僕の方に倒れこんできた。

「わ、わわわぁ!」
「ふん。俺が、悪者みたいだな」
ぱちん、と少年が指を鳴らすと焔がゆるゆると小さくなりだした。
そうして、跡形もなく闇に消えていった。

「神楽も仕舞いだ」
祭囃子の櫓太鼓の最後の音が遠くで響いた。

「言っとくが。お前はツイてる。簡単に、人の情念は浄化できるもんじゃない」
かたん、とお姉さんの携帯が目の前に転がる。
それを、少年が拾ってぽいっと僕に寄越す。

「それ、返しとけ」
「あ、うん」
お姉さんの手にそっと携帯を握らせる。
もう、失くしちゃだめだよ、お姉さん。

「お人好しめ」
「あの、君、は。その、何者なの?情念って?お姉さんは、大丈夫なの?」
「質問の多い奴だな」

ふぅ、と盛大にため息をつくとまた、ぱちんと指を鳴らす。

お姉さんが、消えた。

「え、え、えぇぇぇ!!」
「あの女を送っただけだ。お前は、少し厄介だな。ついて来い」
「え、う、うん」

有無を言わせない態度で少年がお社に向かって歩きだした。
石段を登って、朽ちたお社にどかどかと上がりこんで、その扉をぎいっと開ける。

「ここをくぐって帰れ。お前の夢につく。お前は夢を、見た。お前はここで何も視なかった。一緒にいた奴と祭りが終わった後、まっすぐに家に帰る」
「え、な、なんで?」
「俺が視えるとは思わなかった。まして、人間に仕事を助けて頂くとは、な」
「ちょ、何?やだよ、僕聞いたこと何一つ答えて貰ってないじゃんか!」

強引に、扉の中に押し込められそうになったので、足を踏ん張って持ちこたえる。
「な、こいつ」
「ぼ、僕、三谷亘。き、君の名前は??」
僕は引き下がらない、強引に食いつく。

「お前、アヤカシに名前を聞くもんじゃないぞ」
「なんで?」
「さぁな」
「答えになってない!やーだーかーえーらーなーいー」

ちっ、と本当に迷惑そうに眉を顰められる。
しばらく、の間。観念したように、口を開く。

「みつるだ。美鶴」
「み、つ、る?」

どんな字を書くんだろう?

「美しい、鶴」
「わわわ!なんで僕の思ったことわかるのさ?」
「さぁな」
「もう!アヤカシって何さ?」
「ヒト、が忘れ去ったものだ。あいつも、もとはもっと違うモノだったんだが」
「あ、いつ?」
「あの女に執り憑いたモノだ。あれは、ヒトの情念をエサにするアヤカシだ」
「じょうねん、ってなに?」

少し、それまで渋々と僕の質問に答えていた美鶴が言い淀む。
「ねぇ、なに?」
「もうじき、お前にもわかるさ」
「ふぅ、ん?って答えになってないし!」

           「さぁ、帰れ」

油断、した。
美鶴は、僕に蹴りを入れて扉に押し込んだ。

「ねぇっ!僕達、また会える?僕、また君と会いたい!!」


        「お前が、忘れなければな」


何それ、僕絶対に忘れないんだからね!!、って叫んだつもりだったけど。
美鶴に、ちゃんと聞こえたのかなぁ?


*


僕の朝は、いつも耳障りな目覚ましの音で始まる。
うる、さいなぁ。
あと、すこぅし、こうして、こうして?

――――――こうして??

がばり、と飛び起きる。
え?え?え?ぼ、僕いつの間に??
今、朝??

あたま、がぼんやりする。
僕、昨日お祭り行って、それから。
それ、から??
それから、どうしたんだっけ?

何気なく、学習机に視線がいく。
昨日は、確実に置いてなかったものが鮮やかに僕の眼に飛び込んでくる。
それを手に取るとぼくは、笑いが止まらなかった。
そこに、あったものは。

                柄の折れた、紅い風車


「覚えてるよ、僕。忘れたりなんかしないから」

あのあと、拾って持ってきてくれたんだね?
ヒトの想いは、簡単に消えたりはしない。忘れたり、なんかしない。
きっと、あのお姉さんもそうだろう。
ちょっと、昨日みたいなことはご免だけど、ね。

今日、学校の帰りにあのお社に美鶴に、会いに行こう。
蹴られた文句、僕まだ言ってないしね!
きっと、気だるそうに迎えてくれる。
 
そうして、言いそびれた言葉を言おう。

     
     
             「僕、君と友達になりたいんだ」

              
                きっと、なれる、よね?

    































PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
プロフィール
HN:
みな
性別:
女性
自己紹介:
ひっそり、こっそりと生息中。もういい歳なのにかなりチキン。勢いだけでブログを立ち上げると言う暴挙にでました。
フリーエリア
フリーエリア

やっとバナーを貼り付けることが 出来ました・・・!
  2種類頂きましたので。   お好きな方をお貼りください。 このブログを読んで下さる方様で、奇特にもリンクして下さるのであれば、ご自由にどうぞで御座います。

URL:http://minaesleo.blog. shinobi.jp/

フリーエリア
ブレイブストーリー プチオンリー
やっと(超絶)応援・・・!
フリーエリア
VISON EXPO
ようやく(超絶)応援・・・!
最新トラックバック
最新コメント
[10/22 いとと]
[10/24 みな]
[10/23 ままん]
[09/29 みな]
[09/29 みな]
バーコード
カウンター
忍者ブログ [PR]