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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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うん、わかってた・・・・!!
自分の力量じゃぁ、ね。
一話じゃまとめれない・・・・ってさ。
そんな訳で(言い訳です)、おそらく前、後か、もしくは前、中、後、になりそうです。
近いうちにこの項はあげますね・・・・!

さて。
今回登場していただいた妖怪さんは、文車妖妃(ふぐるまようひ)さんです。
この妖怪さん、古い恋文(こいぶみ)に込められた情念から生まれた妖怪さんです。
この妖怪さんに、恋文(・・・・って今時なぁ・・・)を書いて貰うと必ず恋が成就するとか、しないとか。
まだ、この妖怪さんの特殊技能はあるんですがね、長くなるので・・・!
まぁ、恋文から生まれた情念、と言う現象をいじって妖怪として書いてしまいました。

そう、なにせね。
妖怪もの、特に舞台を現代にしちゃうとですね。問題が発生してくるのですよ。
まず、古き良き時代にはあったものが・・・・なかったり、する。
今の時代、まさか手書きの恋文(ラブレター)は、誰も書かんだろ・・・・とか。
(いや、書いている方を非難する訳じゃなくて!今はさ、メールっていう手段があるしね!!)

文車(ふぐるま・ぶんぐるま)は書籍を運ぶ二輪の小型の牛車(ぎっしゃ)で、内裏(だいり)や寺にあって失火なんかの非常時に備えるのに用いられたものなんですがね。

・・・・・・・どこの会社や寺に牛車があるんだ?いや、ない(反語)
でも、頑張った。頑張ったんだ・・・・わたし。
頑張った心意気は・・・・・受け取ってくださいな・・・・!

               

狐草紙異聞ー文車妖妃の項(前)ー




       伝えきれないほどの、この想いが
いつか貴方に伝わることを願おう
 
               愛しい、愛しい貴方
 
       どれだけ、想えば貴方に私の想いは伝わるのでしょうか?
 
           こんなに、こんなに貴方を想っているのに
     
              貴方はちっとも、わかってくれない
               
         私はここにいます、はやく、はやく気づいてくだ、さい
 
 
 目覚ましの音が、うるさい。
もう、少し。
寝てたい、のになぁと思いながら目覚ましに手を伸ばす。
ぼんやりと、目覚まし時計を見る。
 
「うそっ」
もうこれは、いつものことなんだけど、ね。
待ち合わせに遅れる言い訳、考えとかなくちゃ。
 
「おそようさま、亘。何度も起こしたのよ?」
「おはよ、おかあさん!パン!パンちょうだいっ」
「はい、はい。お父さん出張で良かったわね?」
「言わないでね、おかあさん!あ。今日お祭りだからカッちゃんと出かけるからね!」
「はい、はい」
 
僕はパンを口に銜えながらカバンを背負って玄関から飛び出した。
 
「いってきまぁす」
「いってらっしゃい、車に気をつけるのよ」
 
言われたばっかりだったのに。
どん、と何かにぶつかって、突き飛ばされる。
車では、なかったけども。
同じ階の突き当たりの部屋に住むお姉さんだ。
あんまり、見たことないけど。
 
前を、見てなかった僕がいけなかった。
当然、パンは台無し。
朝から、ついてない。

「あっ、てて。あ!あの、すみません」
「いいの、大丈夫だった?」
「はい!僕こそすみません」
くすくすと可笑しそうにお姉さんが笑う。
「私 も、ぼんやりしてたから。ねぇ、お友達待ってるみたいよ?」

わーたーるー、とカッちゃんの声が聞こえ過ぎるほど、
聞こえる。
・・・・・・今度、同じことカッちゃんの家の前でしてやるんだから!!
 
「カッちゃん!ちょっと待ってて!」
踊り場の隙間から叫んでみる。
わかったー、と大きながらがら声が返ってくる。
 
「そうそう、どうやら私携帯電話落としたらしくて、ね。どこで落としたか覚えが、ないの。
まさか、と思うけども。ここら辺に落ちて、ないわよ、ねぇ?」
お姉さんが困った様に辺りを見回す。
昨日、は僕が覚えている限りこの辺に携帯電話は落ちてなかったはずだ。

「たぶん、なかったと思います」
 「そう、だよね」
そう言ったお姉さんの顔にほんのすこぅしだけ、影が落ちる。
「ごめんね、お友達待たせてる」
「あ、はい」
お姉さんは、やっぱりどことなく暗い表情をしていたから、だから。
「僕、この辺でもし見つけたら拾っておきます!」
お姉さんが、びっくりした顔をする。少しだけ、あの暗い影が和らいだ気がした。

「ありが、とう。じゃぁ、お願いしていいかな?今度はちゃんと前見てね?」
「はい、ごめんなさい」
お姉さんはふわりと微笑んで階段を降りていった。
   
        (あなた、優しいのね)
「え?」
誰か、の声がしたと思ったんだけど、なぁ。

       (みぃつけ、た、みぃつけ、た)

なんだ、ろう。
ものすごく、気味が悪い。       
 

僕は、もう一度辺りに携帯が落ちてないか確認すると階段を慌てて降り始めた。
後ろ、を振り返らないように。
そうしないと、何かに。
捕まってしまう、気がした。

                 (みーつけ、た)
 
*
 
「じゃぁな!亘、この三橋神社の鳥居前んとこに7時だかんな」
「はぁい、宮原もくるんだよね?」
「俺は、さ。マユミ達のお、も、り。でも祭りにはあいつら連れて行くから」
「そっかぁ。会えるといいけど」
「まぁ、大丈夫だろ」
 
今日は三橋神社の夏越のお祭り。
毎年6月30日に行われるこのお祭りは、結構規模が大きくて。
屋台も結構でるし、お祭りの神楽舞いなんかはテレビに映っちゃったりすることもある。
 
まぁ、ぼく達はお祭り、という名目で結構遅くまで遊んでれるから嬉しいんだけなんだけど。
 
  千早ぶる稲荷の宮のしるしには 
 
「え?」
  
  我思うこと満つの社に
 
「亘?」
「どうした?三谷」
 
  千早ぶる豊かのみ前にとのいして
 
「ねぇ、何か。聴こえない?」
 
  我思うこと神も応えよ
 
「別になにも聞こえないぞ」
  
  遠けれど召せばぞまいる 召し給え
 
          召し給え
 
「こっち!こっちから聴こえる」
 
どうして、僕は駆け出しちゃってるんだろう?
でも、なんて、なんて。
キレイな声で謡うんだろう。

三橋神社の脇の杜の小道を抜けて。
奥から、そう、きっと。
 
この奥からあの声は聴こえる。
 
ひぐらし、がうるさいぐらいに鳴いていたはずなのに。
ここだけ切り取られた場所みたいに静かだ。
何も、音のない場所。
杜の小道の奥の、そのまた奥の突き当たりに。

    
     ぽつんと在る、
朽ちた稲荷のお社。

気のせい、なのかなぁ? 
こっちから声が、聴こえた気が。
したんだけど、なぁ。
それにしても、なんだかきったないお社だなぁ。
鳥居もないし。のぼり、もない。
石段が少しと、お社だけ。
お社も、随分と手入れがされてないのがはっきりわかるぐらいに、痛んでいた。
帰ろうか、と来た道を戻り始めた時、唐突に。

そう、唐突にあの声、がした。
 
  「お前のそれ、早く返した方がいい」
え、
 
「呼ぶぞ、呼ぶぞ、人の想いは怖いものだ」

辺り、には誰もいない。

「ねぇ、何?どこにいるの?何を返すの?」
「ほぅ?」
「ねぇってば!」
「こっちだ、こっち。お前の上。う、え。真上だ」

くすくす、と笑い声が聞こえる。
 
言われた通りに、真上を見上げる。
朽ちた稲荷のお社の屋根にかかる御神木の太い枝に、だらりと目の覚めるような朱色の着物が視えた
 
「亘っ!おっまえなぁ!こんなとこにいたのかよ?」
 
気が、した。
 
「へぇ、こんなとこに稲荷の社があるとはね」
「カッちゃん!宮原!今ね、そこの枝、って。あ、れ?」
 
指差した空間には御神木の太い枝だけが、在った。
何も。何もない、空間。
 
「なんだぁ、亘?早く帰ってカバン置いてこよーぜ」
「俺もそろそろ帰らないと」
「あ、そうだね、うん。ごめんね何か、勘違い!」
 
    『お前のそれ、早く返せよ』
 
「え?」
 
またあの声、が聞こえた気がしたけど。
僕はそのまま。
気のせいだと、思うことにして急いでカッちゃんと宮原の後を追って駆け出した。
 
 
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