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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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いやはや。
しつこく、なんですが。
「夢の終わり」のエピローグをちょびっとばかし、書く予定が。
結構な長さのお話になった気がします。
これで、本当に「夢の終わり」はおしまいです。

本当に、すいません。タイトル、解りにくいですね。(私は最初、読めませんでした・・・!)
ツィゴイネルワイゼン、と読みます。
吹奏楽だとか、ヴァイオリンをかじった方はお判りになるかと思います。
スペインの大ヴァイオリニスト、サラサーテ作曲のこの曲は一度はどこかで聴いたことがあると思います。
弾くとなると。
ものっそい、難しい曲だなと思います。
ジプシーの歌、と呼ばれるこの曲が、なんとなく。

2人、に合ってるかなぁと独自の偏見と判断です。

Zigeunerweisen~epilogue~



ゆっくり、ゆっくりと光の螺旋階段を登っていくミツルの背の上で。
あたしは、ひどく静かな気分だ。

たぶん、もうすぐこのカタチもとれなくなる。
怖い、と思う。だけど、なんとなくそれでもいい気がする。

「あたし達」は今、ひどく満たされた気分だからだ。
「あたし達」はもう、行き場を失って彷徨うことはないんだから。

「イツカ?」
「なぁにぃ?」
「いや、静かだなと思って」
「言ったでしょ?『疲れた』って。ちょっとね、疲れたんだぁ。
色々遊んだから。ねぇ、ミツルの背中ってなかなかいいものね」
「何、いってんだか」

本当、なのになぁ。
美鶴の想いは伝わるのに、あたしの想いは伝わらないんだよね。

なんか、ちょっと、いやだな。

「ミツル、はさ。怖くない?せんねん、だよ。せんねん、
ずぅっと。他のイキモノたちを見つづけなきゃいけないんだよ?退屈、しちゃうよ」
「そう、だな」
「なにそれ!全然そう思ってないみたいだよ!」
「なぁ、イツカ。お前はせんねん、ってどれくらいか解るか?」

ふっ、とミツルがかすかに微笑う。
あたしが、見た『笑顔』の中では一番サミシイ、顔だ。

「知らない、わかんない」
「オレも、だよ。きっと、永いんだろうな。けど、まだ解らないんだ」

莫迦ね。
アナタ、本当に大莫迦だよ。

「あたし、お人好しって大嫌い」
「気が合うな。オレもだ」
「ミツルは、お人好しだよ。ほんと、わかってる?ヒト、の醜いモノも視なきゃいけないんだからね」
「そうだな」

あたしたちの下には、柔らかく夜闇を侵していく暁が広がり始めていた。
だから、かな。
眼が、痛い。眼が痛くて、熱くて。

    どうしようも、ない。

「あたしはね。ミツルに戻るけど。ヒトは、すぐに。あたしを、呼べるの。本当に、すぐに第二、第三の
あたしが、生まれるのよ。そんなやつらの、ために、」
「イツカ」
「なに」

やわらかく、あたしの言葉をミツルは遮る。
それが、すごく嫌だ。嫌だ、いやだ。

「ヒトってさ。怖がりなんだ。いつもいつも、自分や、他人や、色んなことに怯えてる。オレも、そうだよ。
けど、あがいて、もがいて、自分なりのやり方でイツカたちを受け入れるんだ」
「それってさ、すごくないか?きっと、きれいなモノばかりじゃないって、時にはイツカたちのせいにして、
吐きたくなるような事ばかりする人間もいるのだろうけど。
ひとりでも。いいや、イツカたちを受け入れるたくさんの、人間を視ることができるのは」

           ものすごく、嬉しいことだと思うよ。


はたり、はたり。

ナミダ、というモノが。あたたかくて、つめたいモノなのだと、初めてわかった。

アナタって本当にお人好し。
でも、だから、

「ねぇ、ミツル。あたしたち、友達だよね?」

少し、嘘をつく。
きっと、このキモチは「トモダチ」のものじゃぁないんだと、思う。
だけど。
女神、に会ってあたしはミツルのところに戻ってこれる自信が、ない。
消される、のかもしれない。
それならさ。
少しぐらい。「確かな言葉」を貰ってもいいよね?

「イツカ、あれ」

殊更、蒼い空間に。透明な階段がさらに長く続いているのがわかる。
その先に、女神の座。

「先に、行ってきな。俺はここで待ってるから。女同士のケンカに首を突っ込むほど、
度胸はないからな」

そっと、あたしを背から降ろす。やさしく、やさしく。

「言いたい事言って。満足したら、帰ってこい。オレのところに」

にいっ、と笑う。

「そうしたら。さっきの返事、言ってやるから。どうせ、オレも女神に会わなくちゃいけないんだ。
だから、あんまり待たせると。ケンカに首突っ込むことになるからな?」

なに、それ。
ずるい、反則だ。

「いつも、戻ってくるとは思わないでよ?」
「戻ってくるさ。だって、お前は」

――――――――――――オレが呼んだんだろう?


そう、ね。だめ、だなぁ。幸福で、降服だよ、あたし。
わかった、意地でも。

「じゃぁ、覚悟しときなさいね?期待どうりじゃなかったらヒドイんだからね」

ああ、と笑ったミツルを見て。
あたしは、大丈夫。
また、ここに戻ってくる。

あたしは、軽やかに一歩ずつ進みだす。
待っていてくれる、ヒトがいる。
だから、大丈夫。必ず、アナタのところに戻るから。
だから、そのときは。

――――――――――――――覚悟、なさいね?









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