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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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ふははは!

宣言どおり、こんな時間ですね・・・・!
そうして、ね。今回本気で収拾がつかなくなりそうな勢いなんですね。
実は、まだぐるぐるしていたりするけども。
別に、吉原にこだわらなくて、ただ遊郭の雰囲気だけ切り取って、オハナシを書けばよかったのかもしれないんですけども・・・・・

なんとなく(大分、個人的趣味ですけども)どこまで文章で、自分の好きなモノを書けれるんだろう?
と、だいそれた事がしてみたくなりました。
本当に、言葉でヒトを表現するのはなんて難しいんだろう。

でも、そんな簡単じゃない人間がやっぱり好きなのかもしれないなぁ・・・・とも思う。
自分の見えている、手の届く範囲だけかもしれないですが。
自分の中の言葉で「人間」を視ようとすると、やっぱりね。

前にも書きましたが。

奇麗ごとしか、書けないです。ずるくて、汚くて、酷くて、生々しいのも全部含めてヒトだと思うのですが。
苦手な、リアルな部分に少しだけ、向き合ってみようか、とも思います。

そんな大層なものではないですが。
そうして、今回文中補足が半端なく長いです。お時間があって、気の向いた方様。
よろしければ、お付き合いくださいませ。

ー文中補足ー
 
箱提灯(はこちょうちん):火袋(紙を貼った側面部分)を縮めると上下の箱(黒い部分)の中に畳み込まれる仕組み。柄を付けて、下に置くことが出来る。
 
ぶら提灯:携帯用として、江戸中期以降普及。形は卵型と丸型がある。柄を手にした時にぶらぶらと揺れるからぶら提灯。まんまですな。
 
誰也行灯(たそやあんどん):もともとは、外を歩く為の照明用でしたが、提灯が普及すると、室内や軒先に置かれるようになりました。種類、形は多種多様。名称も置かれる場所によって違う。街路に置かれたものを誰也行灯と言う。

清掻(すがき):遊女が出てきて、見世に座る様を曲にしたもの。

素見(すけん):遊客ではなく、ひやかしだけのヒト。

女郎花(おみなえし):秋の七草です。黄色小さな花が集まってひとつの傘みたいです。
ただ、単にかの幻界の猫娘さんの名前が入っていたと言うだけで名前に採用・・・・安直すぎる・・・

桂(かつら);桂の木。中国では月にあると言う伝説の巨木。ちなみに、中国では桂はキンモクセイやヒイラギをさす字。言わずもがな。かの、男前な彼女の名前に近いというだけで、以下同文。

新造付き呼び出し:先日書いた花魁のランクによる呼びだし方法。これが一番高い。約125000円次が、「呼び出し昼三(ちゅうさん)」約75000円。その下が「座敷持ち」が約50000円。・・・・・ほんと、呼び出すだけの金額だから・・・・!遊び代別料金だからね。
 
遊郭にきた遊客が花魁を見世(店:遊女置屋)から呼び出す場合、必ず引手茶屋(ひきてちゃや)を仲介にしなければ呼べなかったんですな。
花魁が来る迄の間、遊客は2階に上がって料理や、女芸者の三味線や小唄なんかを楽しむんですが、花魁が来るまでに、二時間待ちなんてざらだったそうな。
 
大見世(大店)からこの茶屋に行く間を花魁道中(おいらんどうちゅう)と言います。
ちなみに、「新造付き呼び出し」には振袖新造(ふりそでしんぞう)、番頭新造、禿(かむろ)2人、新造、遣手(やりて)がつきます。
 
新造(しんぞう):若い遊女。次世代の花魁候補。 その下が、振袖新造。

振袖新造:見習い遊女。客は取りません、が。見世には内緒で客を取る遊女もいたようですね。
 
禿(かむろ):花魁についている、6歳~14歳の見習い遊女兼雑用。
 
番頭新造:年季(ねんき:奉公する期間)明けでも、見世に残り花魁の世話をします。
 
遣手(やりて):遊女たちの監督兼客扱いの責任者。
 
遊郭で働く男衆を若い者、と言いました。客を呼び込む「見世番」、遣手の下で2階を司る「2階番」、遊女たちの部屋の行灯(あんどん)に油を差して廻る「油さし」、未払い金の取り立て担当の「さか取り」、「掛け廻り」、「風呂番」、「飯炊き」、「料理人」など等。
 
ええっと、長々と書いてますが・・・・
全然、飛ばして頂いてもいいですので。(読んでくれる奇特な方様、ありがとうございます・・・・!)
 
あと少し。花魁や振袖新造なんかの着物なんぞの事を書こうかなぁと思います。
 
花魁が結う髪型の代表的なものと言えば、横兵庫(横ひょうご)・・・・簡単に言うと「さくらん」の皆々様がしております髪型ですな。
縦兵庫(たてひょうご)もあります。が、個人的に好きなのは、籠釣瓶(かごつるべ)

ええっと、
要するに、横兵庫に髷(まげ)の部分をポニーテール状に流す髪型です。櫛は三枚(二枚とも)前差し(耳掻きみたいなやつです)6本、後ろ差し6本、簪(かんざし)、またはビラカン(びらびらのかんざし)、簪には定紋(じょうもん:正式な家紋)を入れました。
 
着物さ・・・簡単に纏めてしまおう。(ぐるぐるしたんだよ、実はここで・・・詳しく書くか、書くまいか。結局簡潔にしました・・・・!)
 
花魁と言えば赤い襦袢(じゅばん:肌着、要は下着)に着物が二枚、その上に打ち掛けを三枚羽織り、遊女特有の前帯は俎板帯結び(まないたおびむすび)前にだらり、としてる帯結びですな。
それに三枚歯の下駄を履いています。(ちなみに下駄の高さ約18cm)外八文字(そとはちもんじ)でしゃなり、しゃなりと歩きます。
 
振袖新造の振袖は三枚重ね、髷(まげ:髪型)は島田結い、鼈甲櫛一本、前差し6本、後ろ差し2本下駄は黒塗り表つき三枚歯(高さはそんなにありません)
 
長々と文中補足をして・・・・・すみませんでした!!

 
狐草紙異聞ー別項ー宵待夜想(前)
 
 
ゆらり、ゆらゆらら、
 
見世の、若い者が高く高く掲げる箱提灯に踊るほのかな灯り。
まだ、宵の口だから、か。

そのほのかな灯りは、宵闇の中でひどく儚げに揺らめく。
 
気が付けば、誰也行灯にうっすらと灯りが燈り始めたみたいだ。
此方、彼方の辻道に灯りが狐火のように走る。

意識しなくても、嫌でも耳に入る音。
聞き慣れて、しまった音。
近く、遠くの茶屋から芸者達が三味線で清掻を鳴らし始めた。

そうして、
 
いつの間にか永い、永い夜がこの花街に今日も降る。

ぶらり、ぶらり。 

あたしの右手にはぶら提灯が、その名前の通りに揺れている。
ぼんやりと提灯の中に滲む灯りたちはどこか、頼りなげに見えたから。
 
つい、桂尾姐さんの左手を握る手に少し力を込めてしまった。
いけない、今は仕事の最中だった、んだ。
 
「女郎花?」
「あ、いえ姐さん。何でもありんせん」
「そうか?お前、最近寝れてないだろう?それに、ここのところ落ち着きせんぇ」

姐さんが、綺麗な柳眉を露骨に顰める。 
すぅぐ、顔にでるヒトだから。
くすり、と笑ってしまった。

器用に、外八文字を踏みながらしゃなり、しゃぁなりと歩くのにね。
ほんとは、駄目なのだけど。
声を潜めて、できるだけ顔を前に据えたまま、小さく姐さんに注意する。

「姐さん、こ、と、ば。中途半端でありんす」
「こ、と、ば、ねぇ。ふん、わっちは嫌いでありんすぇ」
「はいはい」
姐さんは、普段ありんす言葉と言われる里言葉を使おうとしない。

今や、この花街「花舞い里」で桂尾姐さんを知らないヒトはいないのに。

それに、姐さんは桂尾太夫と呼ばれるのもひどく嫌う。

姐さん、今花魁道中の最中なんですけども。

むくれた顔を隠そうともせずに、口を真一文字に引き結んだ ままだ。
本当に、もう。仕方のない姐さんだ。
くつくつと禿たちが振袖の袖口で笑い声を噛み殺す。
 
未来の花魁、の手本にもなりゃぁしない。

「仕方ありんせん、しとでありんすねぇ」

ふぅっと、浅く息を吐く。
何気なく、この道中を見ようと集まってきた素見たちに眼を遣ったその先に。

飛び込んできた色たちが在った。
 
はっと眼が覚めるような朱色地の着物に、艶やかに咲く白い牡丹。
深い青みが強い緑に縁取られた黒い帯。

空の紫が濃くなってきた。
逢魔ケ刻が近いこの、刻限にはっきりとその色たちは在った。

紫と朱が交じり合った宵闇の中でいっそう、白い肌が際立つ。
栗色の柔らかそうな、髪の毛。
ひと際、眼をひく薄闇に紛れることもなく浮かぶ強い金、がかかった緑の眼。

みどり、のめ。
 
兄さんと同じ眼の色、瞳の強さ。
 
ひどく、綺麗な子。

眼が離せなくなったのは、きっと、兄さんと同じ眼の色をしていたから。
 
男の子?女の子?

どっち、だろう?

その子の横を通り過ぎる刹那。
夕凪にも似たセカイを歩く感覚に戸惑ってしまう。
でも、それも。

その子の淡い栗色の毛がふわり、と風に舞う迄の糸遊(いとゆう)の時間に過ぎなくて。

ただ。
ふいに向けられた眼差し、にひどく吃驚した。

――――じっと、見てたのがばれちゃったのかな。

慌てて、顔を背けると桂尾姐さんと眼が合う。
「どうかしたのかい?」
「うぅん。何でもないよ、姐さん」
「女郎花。こ、と、ば。あたしばっかじゃないだろう?」
「あ、」
 
しまった、と口を押さえてみても仕方ないし。
開き直ることにする。
 
「ねぇ、姐さん。今、そこにね。ものすごぉく綺麗な子がいたの。あんな子、里にいたかなぁってぼんやりしてたら、つい」
「へぇ?どこだい?あたしよりもそいつ、いい女だったのかい?」
 
素見たちに紛れてしまったのか、あの子を見つけることができなかった。

ちょっと、残念。
 
「わかんなくなっちゃった。この花街で姐さん以上にいい女はいないよ。綺麗な子だったなぁって思っただけ」
「あら、嬉しいことを言いんすぇ」
 
兄さん、に少し似ていたよとは姐さんには言えなかった。
それはたぶん、この嬉しそうにからからと笑う姐さんの顔が曇ってしまうだろうから。
そうして、そんな事言おうものならこの花魁道中を投げ出してでも兄さんを、兄さんに似た誰かを追いかけてくれるだろう。

姐さんはそんな、優しいひとだ。

「姐さん、今日はどなたのお召しでありんしょうかぇ?」

ふふふ、と桂尾姐さんが悪戯っぽく笑った。

   「わっちが、長く、ながーくお待ちしていんした方でありんすぇ」

*


打ち掛けの羽織を脱いで、黒地に金糸銀糸の艶やかな鳳凰花菱紋(ほうおうはなびしもん)の振袖。
俎板帯結び(まないたおびむすび)から、猩猩緋色(しょうじょうひいろ)の帯は、前帯結びの定番のアンコウ帯結びへ。
さっきの仰々しい格好から開放された姐さんは、すっかり寛いでしまっている。

「なぁーんだ、今日のお客っておじじだったの」
「これ、女郎花。これでも、今日はお主らの客ぞ?」

天弧の白蔵主のおじじ。

ほっほと笑う好々爺は、それでもあたしを叱るつもりはないらしい。
そうは見えないけども、夢山の麓にある稲荷大社の神様、なんだよねぇ。

桂尾姐さんと、あたし達を可愛がってくれる。
孫、のようにだけどね。
もう花街からは、随分と前に「ご隠居」したんだって。

「息災そうで、何より。それにしても、おじじ。このあたしが折角、文まで書いて『来てくれ』って頼んだのに。なんだってこんなに遅くなったのさ」
「なに、すこし野暮用があってな」
「姐さん、」

今、あたしには聞くことが、ある。

「おじじも。どうして、他の姐さんや芸者さん達もみいぃんな退がらせたの?」

今、このお座敷にはおじじと姐さん、それにあたししかいない。

籠釣瓶の髪結いの下髪(ポニーテール部分)を鬱陶しそうに払いながら、姐さんは煙管を喫みだした。
一口、二口。

ふぅぅぅうぅうと、紫煙を吐き出して、三口。

――――――姐さん、おじじも一応お客様なんだけど

と、言おうとしたんだけど。空気が変わったことに気づく。

あたし、何かしたっけ?

揺蕩(たゆたう)紫煙の先で、姐さんが婀娜(あだ)めいた眼を細めて、あたしを見る。

姐さんが煙管を喫む仕草に、いつもあたしはどきどきする。

「椿は死んだそうだよ」

桂尾姐さんの声が降ってきたのが解った。
けども。

言われた言葉の意味なんか解りたくなかった。

――――私は、ここは嫌い。だって、ここは鳥籠だもの。

姉さん、椿姉さん。
そう言ってこの花街から姿を消した椿姉さん。

――――大丈夫、必ず見つけてくる。そうしたら、三人でここから出ていこう。

兄さん、沙羅兄さん。
でも、そう言って兄さんも帰って来ないじゃない。    
       
あたし、置いてかれたんだ。
―――――――姉さんも、兄さんも嫌い、大嫌い。        

椿姉さんと、沙羅兄さんと、あたし。
女衒(ぜげん)に手をひかれて、三人とも同じ日にこの里にやってきた。
それからはいつも一緒。

ずぅうっと一緒に変わらなく暮らしていけると思っていた、でもそんなのはお伽話で。
ここがどんなところなのか、わかってしまった。

日毎に、夜毎に少しづつ冥く、胡乱(うろん)な眼になっていく姐さん達が。

――――啼く夜が怖い。

(金糸雀(カナリヤ)は、いいよね。だって最後は忘れた唄を思い出すことができたんだから)
(姉さん?)
(あたしは、唄えそうにもないや)

姉さんが里から姿を消した日は、初めてお客さんを取る日だった。

「女郎花?お前、顔色が悪い、」
「どうして?ねぇ、どうして死んだってわかるの?おじじ?おじじは姉さんがどこに行ったのか知ってたの?」

     「ふぅん、あいつはこの里から来たのか」


誰、だろう?
開け放たれていた、明かり障子の向こうから聞こえた気がする。

「おじじ、あの無粋な奴かい?言っていた童っこは」
「まったく。突然いなくなったと思ったら、突然わいて出よるわ」

屋根の上からのそり、と影が動く。

「こんななりで、表から入ってみろ。喧しいだろう」

とすり、と座敷に入るなりこきり、こきりと首を回しながら欠伸をひとつ。

はっと眼が覚めるような朱色地の着物に、艶やかに咲く白い牡丹。
深い青みが強い緑に縁取られた黒い帯。

行灯の明かり中でいっそう際立つ、白い肌。
橙色の明かりの中でも映える栗色の柔らかそうな、髪の毛。
強い金、がかかった緑の眼。

みどりのめ。

この絢爛豪奢な極彩色のセカイにも紛れることもなく。

ひどく、綺麗に。
そして、眩しくきらめく色たち。

往来のわきで見た、あのひどく綺麗な子が気だるそうに立って、いた。

 
 
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