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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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なんとなく。
「夢の終わり」を書き始めてから、思うことがあります。
私がブレイブ・ストーリーで書いてみたかったのはきっと。
もちろん、叔母さんや邦子さん、メイン2人や、カッちゃんや宮原君、アヤちゃんだったりするんですが。
それ以上に、黒ミツや黒ワタやオンバ様だったのではないのかなぁ・・・・(・・・・・・問題発言だな)

いやさ!テレビを見た時(初ブレイブが地上波ってのも、問題だ)素直に「オンバ様って可愛いなぁ」ってしみじみ思いましたし。だってさ!亘を呑み込んだ後に。「うわぁぁん!亘ぅ!亘が悪いんだぁぁぁぁあ!」って・・・!
おんおん、泣いちゃうんですよ??いやはや。この、駄々っ子め!

DVD購入後も、「やっぱり、オンバ様可愛いよのぅ」と確認したりして。
少しだけ、周りにいる意固地で、不器用で思い込みが激しい、はた迷惑な友人に似てたりして。

そんな、彼女が私は大好きだったりするんですがね。

ちょっぴりだけ、「えー!オンバ様あれだけってのは、せつない・・・・」
黒ワタのシーンは何と言うか。いい歳なのに何回観てもわぁんわぁんと泣いてしまったり。
そうして、せつに。「えぇぇぇぇ!黒ミツと美鶴のほらさ!葛藤とか!相互理解とか!(いや、これはないけど)
ないのかぁぁぁぁ・・・・・・」と思ってみたりしたのが、きっかけだったり。

それに、以前素敵サイト様の企画掲示板に書き込んだモノの回収が、したかった。
これに、つきます。もう少し、お付き合いください。

補足:Calmando(カルマンド)は曲想記号で、静かに

真夜中のリート~Calmando~



ぱきり、ぱきり。
ぱたたっ、と2つの氷柱から微かに氷のカケラがこぼれ落ちる音がする。

静か、だった。ここは、切り取られた空間だった。

カケラ、のこぼれ落ちる音がやけに耳に響く。
静か過ぎて、ひとり取り残された記憶を憶いだして、少しだけ苦しくなる。

オレは、俺に呟く。
お前は、本当にこうしたかったのか?

「ミツル?何言ってるのかわかんないよ?」

宮原、お前もヒトのことは言えないと思うが。お前もとてつもない、あほぅ、だ。
あぁ、羨ましい、と思う。
美鶴にはお前らみたいな友達、がいる。

「だから、何なの?」
オレには、俺と美鶴には。時間、がないんだ。
イツカ、お前はなぜ、外の世界に出られたのか。
知らない、だろう?

「ミツルがね、あのお面を持ってた時。びっくり、しちゃったなぁ」
イツカ、の声が遠い。
イツカ?これは。この存在は。
オレ自身が呼んだモノ。イツカ、はオレが希んで生み出されたモノ。
だから、イツカはオレのもとに来た。
そう、オレがここにいるせいで。

光の境界、が不充分だ。一人、では半身は不完全だ。
オレはオレの行くべき場所に、行かなければならない。

「やっぱり、ちゃんと処分しなきゃぁ、だめだったね」
自分、のすべきことは解っているつもりだ。
だけど。
オレは、ここに在ると。
引き起こされた過去でも、捨てられた弱さでも、倦みだされた醜い感情でもなく。
「芦川美鶴」で、在りたかった。それを、望むのは赦されないことだろうか?

「美鶴って本当に、おばかさん。少しね、ミツルのことを持ち出してつつくと、ね。
すぅぐ、揺らいじゃうの」
それは、生きている人間だから。
ヒトは、過去に揺らいだり、自分自身に戸惑うイキモノだから。
オロカで、キタナクて、だけど。
とても、とても愛おしいイキモノ。

「一度は、本気で『自分』を捨てようとしたからかなぁ?あたしね。ミツルは好きだけど。
美鶴は大っキライ」
「じゃぁさ、いらない『自分』なら。美鶴が現世にいる必要なんて、ないじゃない?」

そんなこと、とっくに思ったよ。
ここに、ずっと、ずうっとひとりでいたから。
時間、がないのに。
いつまでも、いつまでもオレを縛り続けるあいつが、嫌いだった。
それでも。受け入れられることを。
待っている自分がもっと、嫌いだった。

「だったら。美鶴じゃなくて、ミツルでも。いいよね?」
   
     オレとあいつは、どこが違う?

女神から与えられた幸運を。あの、お人好しの願いを。
なぜ、オレじゃなくてあいつが持っていくのだろう?
どうして、どうして。
だけど、ここから覗き見えるあいつはいつだって。
哭いて、いた。声にすらならない、微かさで。
つらいのは、くるしいのは、さみしい、のは全部、全部オレの方じゃないか?

どうして、現実のお前の方がつらそうなカオをする?

「何を言ってるの?」
あいつが、これから生きていく現世にはアヤがいる。
叔母さんが、亘が、宮原や小村がいる。
オレがやり直したかった幸せ、な夢のカタチ。
でも、あのわからずやは。
それすらも、怖くて。受け入れ、られずに。
どちらからも、逃げた。

「ふぅん、それで?」
逃げた、くせに喪う、ことを怖れて。
ひとり、を怖れて。

いい加減に、しろ美鶴。
お前は、オレ達には時間がないんだ。なんで、そんなとこにいる?
いつまで、寝ている気だ?

オレをここに縛りつけたままで。
書き換えられた、未来が。
どうしても、なにをしても換えたかった運命が。
すべて、すべて喪くなってしまうの、に。

お前だけが、オレを解放できるのに。
現世にいた頃のオレは。

オレはアヤがふにゃり、と笑うのが好きだった。
叔母さんがふわり、と微笑うのが嫌いじゃなかった。
それは、どんな「芦川美鶴」でも変わらない。
オレでも、お前でも。

なら。

それなら。オレは、お前は幸せ、な夢のカタチを護らなければいけない。
絶対、に。今在る、幸せを決して喪くしては、いけない。

ゆっくり、とイツカに向き合う。

オレが以前拒んだ存在。
オレが希み、呼んだ存在。
本来ならば、生みだされるはずの、なかった存在。

「あたし、一人じゃあね、無理だったんだけどね」
「あたし、一人だと、限界があるもんねぇ。ねぇ、ミツル。
案外さ、一度目覚めた『憎しみ』ってさ。なかなか、消えないよねぇ?」

まさか。
憎悪、憎悪、憎悪を宿した瞳がゆらゆらと仄く揺れる。
誰の傍にも在る、ほの仄い想いを、みる。

「もちろん、だってあのこの『分身』はあのこに還っただけだものね。それに、
美鶴だってまさか、ワタルの『分身』は傷つけないでしょうし」
「あたしはさ、ミツル。今はこんなカタチだけど。どんなカタチにもなれる、んだよ?」

黒にも白にもなれる、どんなカタチにでも。
まだ、間に合うかもしれない。
一度は、撥ね付けてしまった、傷つけてしまった存在。

イツカ。
オレとお前はとても、よく似たサミシイ現象なのかもしれない。
誰かを、ずぅっと待ち続けて、いる。
けれど、

「ワタルの『憎しみ』に同調するぐらい、できるよ。もし、ワタルが『分身』を受け入れなくても。
美鶴の夢から亘自身に入り込んで身体、貰っちゃうんだから!」
「ワタルの『分身』の気配ぐらいは、どんなに美鶴が隠してても、わかっちゃうんだから」

けれど、今度はもう、撥ね付けないから。
今度は、傷つけないから。
手を。
手を、伸ばそう。
一緒に、還ろう。

                   「さようなら」

―――――――――さようなら、と言われた方が言う方よりも何倍も何倍も。
                  哀しい、ということがやっと。
                  わかった、気がした。










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