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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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うううう!なんとか、なんとか今日中にこの「真夜中~」の前編(・・・?)をがりごりっと書きたいのですが・・・
嘘ついたら、すみません!!今日の夜は書き込めなさそうな予感が満載・・・!!
最近気づいたのですが。・・・・・あれ?声楽曲なんて普通、皆様知らないんじゃぁなかろうか。
うん、あれだ。また自己満足が暴走したみたいだ・・・・!!
とりあえず、(本当にとりあえず、だな・・・)今回のタイトルの声楽曲、の種類は解りにくいなぁと思うので・・・!
いや。話もさ・・・・すいません!!
ほんと、捏造過ぎてへそで茶を沸かす勢いです!!
でも。一番大事に、大事に書きたかった話でもあるので。
心の広い方様・・・・どうか、どうか。御付き合い頂けると嬉しいです。

補足:リート(ドイツ歌曲)・・・基本的に一人の歌い手と一人のピアニストで合奏される歌曲
     Cantabile(カンタビーレ)・・・曲想記号で、歌うように

真夜中のリート~Cantabile~



    あたしが生み出されたとき
    なにも、なにもあたしは持てるものがなかった

    そのくせ、あたしじゃない「誰か」の記憶と
    あたしじゃない「誰か」の仄い、仄い想いがぐるぐると周りにあった

    あたしは、あたしのカタチすら持てなかったから
    あたしは、それらを取り込んで「あたしのもの」にした

    あたし、があたし、でなくなっていく
    あたしは、あたしは
―――――――――――――――――――あたしは、だぁれ?


夕暮れ時の空の下。
夏の空気の中に。
二つの氷柱が涼しげに聳え立っている。
とても、とても。
あの氷柱に触ったら冷たそう。

「これで、満足か?」

ミヤハラとカッチャンを閉じ込めた氷柱を見上げながら、ミツルが呟く。
あたしの方に振り向きもしない。きれいな、横顔。
近くて、遠い距離。手を伸ばせば、触れられる、のに。

「宮原は、きっと気づいたんだ、な」
誰に、言ってるんだろう?
あんまりにも、静かで。かすか、な声だったから。
「ミツル?何言ってるのかわかんないよ?」

きれいな、きれいなミツル。
あたたかくて。でも、やわらかく傷ついたタマシイ。

「イツカ。美鶴は、オレでもあるんだ」
「だから、何なの?」
そっかぁ、そうだよね。そう、だった。
ミツルはとっても。カシコイ、んだっけ。

「オレが、俺自身に干渉できないのは、オカシイと宮原は気づいたんだ。それに。
美鶴一人で、こんな芸当ができる訳がない」
「イツカ、お前さ。本当は、何がしたい?何をしようとしてる?」

あーあぁ。
やっぱり、気づいてるのかなぁ?
―――――――――やっぱり、ミツルはカシコイなぁ。
ミツル、のカシコイところ大好きだよ。

「ミツルがね、あのお面を持ってた時。びっくり、しちゃったなぁ」
くすくすくす。

「やっぱり、ちゃんと処分しなきゃぁ、だめだったね」
でも、ね。もしかしたら、あたしワザと見つかるところに捨てた、かも。
きっと、ミツルなら気づくんじゃないかと、思ったから。

カシコクて、オロカな子供たち。

「美鶴って本当に、おばかさん。少しね、ミツルのことを持ち出してつつく、とね。すぅぐ、揺らいじゃうの」

嗤っちゃうよねぇ?自分自身、のことなのにねぇ?

「一度は、本気で『自分』を捨てようとしたからかなぁ?あたしね。ミツルは好きだけど、美鶴は大っキライなの」
だって。ミツルはイツカの、オトモダチだもんね。
だけど、美鶴は。美鶴だけ、シアワセなお子さんみたい、だから。
だから、大っキライ。

「じゃぁさ、いらない『自分』なら。美鶴が現世にいる必要なんて、ないじゃない?」
きれいなカタチ、を持てることがどんなにかシアワセなことか、まるで解らないのなら。
ひとり、でいいと嘘をつくくせに。ひとり、じゃないくせに。

「だったら。美鶴じゃなくて、ミツルでも。いいよね?」
全部、ミツルの為なんだよ?

あれぇ?やっぱり、こっちは見ないんだね。どぉして?
「オレはお前の手を取った。オレは、美鶴にうんざり、していたのかもしれない。
お前の望むようにすればいい、と思った。だから、美鶴の夢に、小村や宮原、三谷を引き込んだ」

静かな、静かな声。ミツルが今どんな顔してるのか、わかんないよ?

「その時、ひずみが生まれた。弾かれた演技までご丁寧にして。お前には願ってもないチャンスだったろうな。なぁイツカ、あいつもお前の手を取ったのか?」
なに、言ってるの?
「美鶴はオレでもある、と言ったろ?美鶴の感情はオレにも伝わる。オレの感情は伝わらない、のにな」
「何を言ってるの?」
「イツカ、お前。お前は『誰か』のカタチを借りて姿を保っていたとしても。長くは持たない。姿、を維持するだけの『負の感情』がこの空間だけでは絶対的に足りない」

優しい、優しい音なのに。どぉして、こっちに向いてくれないんだろう?

「たぶん、あいつはお前の手を取ったんじゃなくて。ただお前から逃げたかっただけだな。オレを持ち出されて。亘や小村や宮原と、幸せな夢の中に逃げ込みたかった、だけだ」
「ふぅん、それで?」
「お前は、美鶴の望みどおりに、手伝ってやったんだ。大事な友達が、喪くなっていかないように。ここに、閉じ込めて。けど、誤算があった。美鶴が、オレたちがいるこの空間を閉ざした」

だけど、と言葉をきって、少しの沈黙。でも、あたしにとっては。永い、ながーい沈黙だった。

「お前には現世に降りるという目的があった。タマシイのウツワが欲しかった」 
くすくすくす。嗤い、が込み上げてくる。

「違うか?」
「さぁ?」
本当は、ね。少し違うんだけども。

「しかも誰でも、良いわけではなかった。ウツワとなる人間は」 

「三谷亘」
お前、最初からそれが狙いだったんだよな、と。声が、遠い。今、手を伸ばせばミツルは、どうするだろう?

そう、だよ。
―――――――――ご名答。でもね、忌々しいの。美鶴、が。
「亘だけは、どうしてお前に探しだせなかったか解るか?」 
そう、亘を隠しちゃったから。だからね、あたし考えなくちゃいけなくなったもん。

「美鶴はオレでもあるから。『以前のお前』を撥ね付けたオレを憶えているから。お前が亘に抱くものは『憎悪』でしかないのが解ったから。お前でも手がだせないところに、隠したんだ」
あーあ。いやに、なっちゃう。
結局、アナタ達はあたしの「オトモダチ」にはなってくれないんじゃない。
手を、取ってくれたんじゃぁないの?

お前は、カシコイなとミツルがゆっくり振り返る。
やっと、こっちを向いてくれた。

「オレは、お前の報復に手を貸した訳だ」
違う、のに。
あたしは。あたしは、ミツルと一緒、に。現世に行きたかったのに。

「美鶴、の。オレ達の夢の中だけならば、好きにすればいい。だが、現世に関与するのであれば」

     あたしは、誰かになりかわりたかった。
     取り込んだ『誰か』の仄い仄い感情から、逃げたかった。
     あたし、じゃなくなるのが怖かった。
     きれい、な存在で。誰からも、嫌われることなく。

「女神、が赦しはしない。オレも、お前をもといた場所に封じ込めなくては、」

     三谷亘、ワタル、わたる。
     どうして、この名前を聞くとこんなにも嬉しいんだろう。
     「誰か」の想い。
     あぁ、やっと。やっと。
     憎悪、憎悪、憎悪。あんまりにもこの想いが強いから。
     ぞくぞく、としてくる。嬉しくて、嬉しくて。

「あたし、一人じゃぁね、無理だったんだけどね」
くすくすくす。
もう、いいや。ミツルもいらない。
「あたし、一人だと限界があるもんねぇ。ねぇ、ミツル。
案外さ、一度目覚めた『憎しみ』ってさ。なかなか、消えないよねぇ?」

驚いて、くれる?
「イツカ、まさか。お前ワタルの『分身』を喚べる、のか?」
ふふふふっ。愉しい、なぁ。わくわく、しちゃう。

「もちろん、だってあのこの『分身』はあのこに還っただけだものね。それに、美鶴だってまさか、ワタルの『分身』は傷つけないでしょうし」
「そんなことしても無意味だ。あいつは、何度でも自分自身、を受け入れる」
だから、じゃない。

「あたしはさ、ミツル。今はこんなカタチだけど。どんなカタチにもなれる、んだよ?」
そう、あのこは受け入れてくれるでしょうね?もし、受け入れなくても。
「ワタルの『憎しみ』に同調するぐらい、できるよ。もし、ワタルが『分身』を受け入れなくても。美鶴の夢から亘自身に入り込んで身体、貰っちゃうんだから!」

「ワタルの『分身』の気配ぐらいは、どんなに美鶴が隠してても、わかっちゃうんだから」

ミツルが、あたしに手を伸ばす。

           でもね。サヨウナラ。
           いらない、とキラワレルぐらいなら。
           あたしから。

           あたしは、いつも。
           誰の傍にもいつも、在るのに。
           みんな、どうしてあたしを。あたしをキライって言うんだろう?
                           どうして、閉じ込めるんだろう?


 「さようなら」
―――――――――――――そう言った時に過ぎった「キモチ」の名前は何と言うんだろう?
                    あたしの、知らない感情が少し苦しかった。
      




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