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このブログは小説・映画の「ブレイブストーリー」の二次創作兼雑記ブログです。原作者様、各権利元関係者様とは一切関係ありません。
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く・・・・!とうとう、とうとう!

有名処の妖怪だしちゃいましたよ・・・・!憂婦女(うぶめ)は産女、とも、姑獲鳥(こかくちょう、うぶめ)とも。
もう、某御大様の作品でも有名ですから説明いらないのかなぁ・・・とも思いますが。

憂婦女は死産した妊婦の妄執が固まった変化です。子供を抱いており、ゆきあった人を追い駆けて来ると言う、なんとも出逢うと怖い変化だったりします。もう、今回さ・・・・
自分の力量がほんと、ないのは解っていたんですがね。

本編に微妙に絡ませようと、ない脳みそを絞ってみたものの。みごと・・・・
玉砕、しております。
せっかくのイメージ童謡も・・・・・あわわわわわ!でもう。大泣き、してしまいます。

   -文中補足ー

金襴緞子(きんらんどんす)・・・・糸に金箔を巻きつけた金糸。また、その金糸を使った織物。
綾錦の染織物の中では最も高価なものとも。

花嫁御寮(はなよめごりょう)・・・・花嫁御とも。花嫁さん、のこと。

白蔵主(はくぞうす)・・・・簡単に言うと、狐がお寺の住職に化けることを言う。もしくは、法師が狐の行いに似たことをすること。有名なのは、山梨の夢山の麓のお寺に50年坊主として居座り続けた白狐。

狐草紙異聞ー憂婦女の項ー(前)




金襴緞子(きんらんどんす)の 帯しめながら
 
花嫁御寮(はなよめごりょう)は なぜ泣くのだろ
 
      (あにさま、ねぇあにさま)
 
     あねさんごっこの花嫁人形は
 
    赤い鹿(か)の子の 振袖着てる
 
 (あにさまは、きっとあやよりお着物似合うよぉ)
 
     花嫁御寮はなぜ、なぜ
 
     
 
 
       どうして、泣くのだろう、
 
 
夢をみた。ずいぶん、むかしの。
 
夢の中では、あやに逢える。
もう、このセカイのどこにもいない俺の、妹。
大切な大切な俺の宝、だったのに。
繰り返し、繰り返し俺は夢を見続けている。
終わることのない、夢を。
 
それは優しくて、綺麗な悪夢。


自分以外の気配、を感じて不愉快な気分を相手にも解らせてやろうと、顔をしかめたのだが。
相手、が悪い。

「おや。腹でも壊したかの。まぁ、おぬしが笑って出迎えてくれるとは思わないが」
「白蔵主か」
 
ほっほ、と朗らかに笑う好々爺に少し、苛立ちを覚える。
この、老狐は案外喰えない。
 
「寝込みを狙って、おとなってくるのは些か趣味が悪いと思うが」
「先日使いは遣ったぞ。じゃが、おぬしから手厚いもてなしを受けたそうじゃな」
 
ち、あの野狐が。
だが今は、それ以上にこの老狐の存在の方が忌々しい。
 
「仕方ないのでな、こうして久方ぶりにおとなってみれば、この有様」
「そうか、白蔵主殿はずいぶん暇と見える」
「ほぉれ、相も変わらず可愛げのないことよ」
 
大袈裟によよと、泣き真似をしてくるこの生臭坊主の、なんと小憎たらしいことか。
 
「そうそう、美鶴や。この社にヒトの子の臭いがするのは、わしの気のせいかの?」
「さぁな」

鼻が利くのも、変わっちゃいないか。

「おぬしは、人間が嫌いではなかったかの?」
「白蔵主、何か用があるのだろう?あいにく俺は、夢見が悪くてな。あまりよいもてなし、はできそうにもないが」
「ほんに、忙しない奴じゃの。まぁ、いいか。実はちと、こまっ」

しまった、と思うよりも先に白蔵主が社の扉に眼を向ける。
「美鶴や、今日は客人がわしだけではないと見える」

ふうっ、と老狐が姿を大気に紛れさせたと同時に。

「美鶴、いる?」

亘、が社の扉を開けて入り込んできた。

(また、近いうちにおとなう事にするさな。おぬしにとっても困った事、になりつつあるのでなぁ)

できれば、遠慮したいものだ。
ふぅ、と亘に気付かれない程度に息を吐き出した。
夢見が悪かった分、今俺の機嫌は、いい方ではない。

「見ればわかるだろう、何か用か」
「もう!えと、ね。今日さ。しばらく、ここにいてもいいかなぁ」
「甘えるな。お前には、お前のすることがあるだろう、帰れ」

亘、の顔がこれでもかというぐらいに歪んだ。
ほんの少し、胸の奥がじくりとするけども、それ以上に今俺は一人、になりたかった。

拡がる、冥い感情たち。
こいつは、自分がそんな顔をすれば誰でも助けてくれるとでも思っているんだろうか?
泣き顔ひとつで、同情が買えるとでも?

幸せ、なお子様。

「あ、あの・・・あのねっ。こ、こないだとか助けてくれたでしょ?お、お姉さんの時とか、ほら。あんまり覚えてないけど、このお社に夢?かなぁ・・・・来ちゃった時とかっ、お礼言ってなかったなぁとかっ、さ、」

下を向いて俯く様すら、苛々としてくる。
でも、俺自身にも苛々としている。

「だから、ね。あと、うん、ごめん。僕、どうしていいかわかんなくて。あのね。みんな誰も、本当のことなんか教えてくれやしないいんだ。僕がまだ子供だって、子供が知ることじゃないって。子供が背負うことじゃないって。
そんなの、ひどいじゃないか。結局、何でも大人だけで決めて!僕には、子供には相談なんか、しやしないんだ。
お母さんは、僕のため、僕のためって言ってるけど、僕をダシにしてるだけな、んだ!!!」

「だ、まれ」
「え?」
「お前は。何か自分でしようとしたのか?ただ、ここに俺に愚痴を言いにきたのか?それでもいいが。俺は何もできないし、するつもりもないが。『みんなが、僕を苛めるんだよ、誰か助けてぇ』、か。いいんじゃないか?それ。他のニンゲンの大人たちに泣きつけばいいんじゃないか。ああ、そうだな。そうやって、可哀想なお子さんのふり、でもしてればいいんじゃないか?」

お前は、幸せなお子様だから。
差し伸べてくれる、手があるのに。それに、気付きもしないで。
それに気付いていても、拗ねて、気付かぬふりをする。

        俺、は。

あのとき、何も持っていなかった俺は、俺は。
差し伸べてくれる誰かなんかいなかったから。
俺は、持っているものは「俺自身」しかなかった、から。

「ひ、どいよ、美鶴」

かたん、と閉まる社の扉が鬱陶しい。

「わた、る」

傷つけられた、と思うのなら俺に向かってくればいい。
ひどい、と思うなら泣き叫んで俺を詰ればいいだろうに。

なぜ、あいつはそんなこともせずに静かに出て行ったのだろう?
わからない。
俺は、ヒトではないから。
でも、俺はひどく今。

今、永い間忘れていた感情が俺から生まれでよう、としている事が、ひどく。

        ひどく、怖かった。


   
        泣けば鹿の子の たもとがきれる
        
        (ねぇ、あにさま泣かないで、ねぇ)
       
        涙で鹿の子の 赤い紅(べに)にじむ

        (あやは、あにさまが笑うとうれしいんだよ)


          泣くに泣かれぬ 花嫁人形は

          赤い鹿の子の 千代紙衣装



―――――――――――あら、あら、まぁどうしましょう?
―――――――――かわいい我が子が、泣いているわ。ねぇ、泣かないでね。
――――――お母さん、あなたがいいわ。きっと、あなたはいい子になるわね?



                    今度こそ、いい子に孵りそう、ねぇ?


―――――――――――――――――誰かが、闇で哂った
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